五話 ページ5
『うげ、今日も早く来てる___』
何故アイツが早く来るかは分かっている
多分、部活の朝練
明日からHRギリギリに登校しよう。
静かに扉を開けると、弧爪くんは私に目線を寄越した
あれ、入学式は見てこなかったのに
『__お、はよう』
目が合ったら仕方ない。少し小さめに挨拶をする
弧爪くんはと言うと、肩を震わせ目線を泳がせている
「___……おはよ」
本当に小さな声。喉奥から搾り出したのかなって思うくらい小さかった
挨拶を返せば、彼はまたゲームに視線を戻す
彼と同じクラスになって一ヶ月が経つ
私は彼が苦手だ
不良って事もあるけど、彼の目が苦手。
全部見透かされてるかのように感じるからだ。
それに多分、彼は私が苦手。
だって授業中とか昼休みとか!!
私のことめっちゃ睨んでくるんだよ!??
いや本当怖いからね!!
『(いつかカツアゲされそう)』
波風立てないように振る舞ってる筈なんだけどなぁ__。
「佐藤。皆の提出物まとめて、職員室に持ってきて」
はい出た!!そうやって陰キャを虐める!!
良いですよ持って行ってやりますよ?
そうですよね。私帰宅部ですもんね!??
私のこと暇だと思ってんのか畜生。そうだよ暇だよ
『(あ、重いヤバい。これ明日筋肉痛なる!!)』
ため息を零して、腕が攣るのを覚悟した時だった。
「___てつだう」
ヒョイ、と私の手から、荷物を半分持ってくれた。
何でプリン頭が!??
『え、嬉しいけど__部活は良いの?』
「うん。__これ、手伝う位で遅れないし」
おっと??
え、コイツもしかして優しい?
目線は合わないけど、声は物凄い小さいけど
優しいのでは???
『そっか。ありがとう』
「……どういたしまして」
ごめんよ弧爪くん。
君の事、どうやら誤解していたようだ。
現金なやつ?ちょろい????
いや、不良が優しいんだよ?
ギャップじゃん!!
苦手意識が、少しだけ無くなった日。
『あ、私佐藤A!』
「……知ってるけど」
『え?知ってたの???』
「だって、クラスメイトだし」
『弧爪くん___!』
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Gimonn(プロフ) - 弧爪研磨推しさん» ありがとうございます!頑張りますね! (5月6日 11時) (レス) id: 2d15beeb9f (このIDを非表示/違反報告)
弧爪研磨推し - 弧爪研磨かわいいよね!ありがとうねー (5月4日 0時) (レス) id: e6c1a803d3 (このIDを非表示/違反報告)
弧爪研磨推し - 大変かもだけど頑張ってくださいね!! (5月4日 0時) (レス) id: e6c1a803d3 (このIDを非表示/違反報告)
弧爪研磨推し - 文章の構成がお上手👏 (5月4日 0時) (レス) id: e6c1a803d3 (このIDを非表示/違反報告)
弧爪研磨推し - 最高すぎて尊し♡天才かよ!? (5月4日 0時) (レス) @page18 id: e6c1a803d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:和菓子と茶 | 作成日時:2024年3月17日 22時