窓際族の弧爪くん【ハイキュー】 (ページ18)

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十八話ページ18

「ねぇ、立候補しておいて良い？」

『何の？』

ツンっと、冷たい風が肌を刺すこの頃

手が悴んで皮膚が赤くなっていた

彼とこうして帰るのは偶にしかない

何故なら彼は部活があるから。

今日は部活がないから、私と一緒に帰ってる

「知ってると思うけど、俺＿＿来月バレーの大会ある」

『そうだね。クラスの皆で応援するから楽しみにしてて！』

『それで、何の立候補？何か選挙にでも出る？』

「うんん。＿＿＿こんな事言ったら引かれると思うし、

全く俺のキャラじゃない事も分かってる」

「時期も今言うことじゃないって理解してる

でも！」

どこか苦しげに私を見た

私のせいで彼がこんな顔をしているのだろうか

途端に、心臓が痛くなって仕方ない

「気づいてたか知らないけど俺、佐藤さんの事好きだから」

『＿＿＿＿＿へ、ぇ？』

「急にごめん。もっと落ち着いてから打ち明けようと思ってたけど

昨日、佐藤さんが告白されたの知ってるから＿＿

今言わないと二度と言う選択肢とか無い気がして……」

怒涛の勢いで彼の想いを打ち明けられた

けど、待って欲しい。情報が追いつかない

『あ、＿＿えっと』

「＿＿返事はまだ言わないで。

ごめん。ずるいよね、俺でも思う。

でもせめて、大会終わった後に聞かせて欲しい」

本当にずるい

今、言わないでほしかった

だって私の思いを打ち明けられるのは、一ヶ月後じゃないか

「前に、一度だけ見学しにきてくれたよね」

「あの日よりレベルは上がってるから、きっと楽しめると思う」

「お願い。俺にも立候補させて」

『その、言い方＿＿ずるくないですか、？』

「だって、攻略中のキャラの隠しイベを先に見つけられたら、誰だってムカつくし焦るでしょ」

『いつから、私の事好きだったの？』

「きっと、佐藤さんが思ってるよりずっと前だよ」

冬なのにも関わらず、先程まで悴んでいた手や顔が熱かった

あぁ、嫌でも分かってしまった

分からされてしまった

こんなの回避不可能の即死イベじゃないか

一カ月、どんな顔して過ごせば良いんだろう

私だって好きなのに、言えないもどかしさを

誰か何とかしてほしい