窓際族の弧爪くん【ハイキュー】

十五話 ページ15

『＿＿あー、もしもし。聞こえてる、？』






「もしもし。聞こえてる



てか、このやり取り毎日する気？」



電子機器越しから、くぐもった彼の声が聞こえてくる


あ、笑ってる。聞こえてるからなオイ



『だって！電話って何か緊張するじゃん！！』


私なんか、もう心臓がばっくばくだよ？

初めて友達と電話。


友達と電話！青春っぽい！！



『今日は？今日は何する？』






「今日はボス周回して、レアドロ狙いでいこ」






『＿＿ボスかぁ。




ん？




もしかして私、また肉壁にされる！？』








「ん？そうだけど＿＿＿」









『何で！！たまには弧爪くんが肉壁になろうよ！？』







「あ、そこ敵来てるよ」







『この野郎………＿＿。私の生殺与奪の権を握りやがって』





スマホ奥から、ギリギリと歯軋りが聞こえてくる


きっと、凄く悔しそうな顔をしてる


電話越しでも相変わらず分かりやすい





「合宿、明日からだから。俺の分まで素材集めててよ？」







『イベクエも完遂させる予定』



あーあ。合宿終わるまで彼女とゲーム出来ないのか


時間を合間縫っても、俺絶対ゲームする体力ない。




『公式の試合ってどれくらいからあるの？』






「多分、10月？」







『もう8月なりますけど！？？あと2ヶ月！？？？？


おま、え？ゲームしてて大丈夫！？』



いきなり大声出さないでほしい

思わずスマホ落としたじゃん


肘も足も打ったし、どうしてやろう





『何か今凄い音したね。どうした？』






「本気でそれ言ってる？」






『すいませんでした』



謝罪の言葉に一切の躊躇いがないから、また笑う


こんなビビりの癖に、何でとぼけたり突っかかってくるんだろ



だから面白いんだけどね





「良いよ。怒ってないし」






『ほんと？』






「うん。あ、次のボスでも肉壁宜しく」







『やっぱり怒ってる？？？』

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