窓際族の弧爪くん【ハイキュー】 (ページ1)

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一話ページ1

高校の折り返し、正直一番キツイ２年生。

春は嫌い。

虫は出てくるし、せっかく慣れたクラスの人とも別れるし

宿題の量と春休みが割に合ってないし、鞄は重いし。

『２年3組＿＿……微妙に購買から遠いクラス。最悪』

早く学校に来すぎた。

他の生徒はあまり来ていない。

ゆったりと階段を登る。あーぁ、この階段がエスカレーターになれば良いのに。

本当、何で教室こんなに遠いの？

この学校の設計した奴、絶対運動部。

少しは帰宅部にも配慮して作れ、帰宅部舐めんな。

ノロノロと教室に向かえば、既に中には誰かいた。

扉の窓から覗き見る。

プリン頭なんですけどぉ。

先客、プリン頭なんすけどぉ＿＿＿……。

やっぱり春は嫌い。知らない奴と同じクラスになるから

急いで廊下に張り出されている座席表を見た

プリン頭が座っている窓際の席、後ろから二番目の席＿＿。

『弧爪＿＿……研磨？』

誰それ。は？

マジで誰だよ弧爪研磨！！！

迂闊だった。あのプリン絶対不良だよ。

私の席はどこだ？私だって窓際が良かったが、今回はプリンに譲ろうではないか。

『ぁ〜＿＿＿微妙、』

特別、良くも悪くもない。ただ、あのプリン頭とは結構遠い席だ

なるべく音を立てないようにとびを開ける。

プリン頭は、多分ゲームをしている。

私に気づいていないのか、それともワザと気付いていない感じにしてるのか

彼は、私に視線を寄越す事はなかった。

それなら好都合。私も誰か知っている人がくるまでゲームをしようではないか。

今大人気の、戦闘RPGゲーム

殺戮神Aとは私の事だ。皆、ひれ伏すが良い

このゲームは好き。武器によって戦略の幅が広がって楽しい

結局、あの後はHRまで熱中してしまった

学校でゲームをする背徳感。超ヤバい

ふとプリン頭の方を見れば、一瞬だけ目が合った気がする

でも気がするだけ。だってプリン頭、机の下で隠れてゲームしてるし

さすが不良。絶対関わらないようにしよ。

欠伸を噛み殺している、名前も知らないあの子

同じゲームをしているのが見えたから、ほんの少しだけ親近感が湧いた。

湧いたからと言っても、絶対に話しかけないけど。

あ、名前＿＿＿。一応クラスメイトだし

座席表を見直そうかと思いながら、ボス戦に挑んだ。