ギルえもん〜次章まで〜

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《頭が混乱する》




立「それで、今日はどうして？」

穏やかに問いかける彼女に、いきなり本題をぶつける。

「どうして、マスターに？」

立「え」

一瞬目を見開いた藤丸さんは、大袈裟に顎に手を当てて考え始めた。

立「うーん…いざ聞かれると…」

「世界を救うため、とか？」

きっとこれが1番無難なものだろう。

立「私にはそこまで大きい理由はないかな」

「じゃあ、周りにやれって言われた、から？」

立「ううん。違うな。関係ないよ。」

わけが、分からない。
マスターをやっているって時点で訳が分からないのに。

「じゃあ、大事な人を守るため？」

立「うーーーん…大事な人…」

歯切れが悪い。

立「……そうだなぁ…私しかいないと思った、から、かな」

わけが、わからない

「自分しかいないならなんだって言うの？戦ったって、勝てるかもわからないのに。わざわざ危ない目に遭うの？

…怖く、ないの？」

つい畳み掛けてしまう。
目の前の人の言っていることが、私には理解できない。

立「怖いよ。すごく怖い。でも、残ったのが自分だけなら、やれるだけのことはやっておきたいんだ」

まっすぐ、そういった。

わからない。

怖いのに、どうして進もうとするの。

ここにいれば、くるしむことも、ないのに。

立「君は、怖い？」

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