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「…さよか、ほんなら連れてくるわ」


「え、」
「連れてくるって、」


じっと話を聞いていた北は、なんでもないようにそう言うと携帯を取り出した。

ぱかっと開くタイプの一昔前のガラケーである。

どうやら誰かにメールを送っているようだった。
操作に慣れていないのか、無意識に目の端がキュッと細まっている。



そんな彼の様子をチームメイト達はポカンと見つめていた。




「信介、アテがあるんか」

「おん。まぁ双子の話聞くまでは俺も忘れとったけどな。
一人おんねん。今年はいった一年に条件当てはまりそうな子」

「一年とは珍しいな。女の子か?」

「おん」

「は〜、こらたまげたなぁ」

「き、北さんのオトモダチとかですか…?」

「友達…とはまたちゃうかもな、昔馴染みや」




(北さんの昔馴染みの女の子!?)

(しかも一年!)

侑と治はギョッと顔を見合わせる。
どんな子なのかとか、バレー経験者なのかとか、そもそも北さんとその子はどういう関係なのかとか。

色々問い質したいところだったが、北はパタンと携帯を閉じ、「ほんなら行ってくる」と背を向けてしまった。



「今からか?」

「おん。家もウチから近いし今なら話せる言うてたわ」



鉄は熱いうちになんとやら。

それでサッパリ断られるか、一度練習に呼んで考えてもらうか。
とにかく彼女に相談してみて、そこから色々判断すべきだ。

北はそう思って、バックを背負い直した。


「…悪い子やないから、期待してええよ」





彼は体育館履きを片手で掴み、固まる周りをそのままにカツカツ歩いて行った。


その背中はしゃんと伸びいていて、歩いているだけでかっこいい。

部員達は顔を見合わせ、マァあの人が言うんならと続報を待つことにした。

鬼の住む街 1→←2



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設定タグ:ハイキュー , HQ , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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星兎う次 - 初めましてー!星兎(ほしうさ)です!次のお話楽しみすぎます!頑張ってください (2022年3月29日 14時) (レス) @page37 id: f37909bd7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ - 面白いですね! (2021年12月24日 17時) (レス) @page26 id: 0c84fcb925 (このIDを非表示/違反報告)
naonao(プロフ) - 続きみたいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい (2021年12月11日 20時) (レス) @page26 id: 89bf261545 (このIDを非表示/違反報告)
とも - めちゃくちゃ面白いです!文の表現の仕方も好きです!更新楽しみにしてます! (2021年11月15日 2時) (レス) @page26 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 返信遅れました。ありがとうございます!とっても励みになります〜!これからも頑張りますね (2021年11月6日 9時) (レス) id: de4d0642cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空白 | 作成日時:2021年10月27日 15時

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