ジオメトリック・ラブ ren&sho (ページ10)

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side of R

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今考えれば、あの言葉はAの意思じゃないってわかんのに。

Aと喋らんくなって、目を合わさんくなって学年も変わってクラスも離れた。

俺とAの距離はぐっと遠くなって、俺は裏切られた、その思いしか心になくて思いっ切りAを避けるようにした。

Aとの記憶を少しでも薄くしたくて、好きでもない女と付き合ったりした。

そんなことしたってリセットされる筈がないってわかってるんに

高校受験が終わって卒業間近のある日、

俺はクラスメイトからAのい,じめのことを聞くことになる。

皆はあー、あったね～なんて思い出のように話す。

俺、そんなん知らん。鼓動が早くなる。

皆の話を聞くと、

俺が原因で、LINEでの暴,言、無視、物を隠されたりボロボロにされたり偶に暴,力まで。

ほんまにあった出来事なんかって言うくらい酷いもので、思考停止。

……なんであん時、俺気づけへんかったん。

蘇る記憶。 Aのスマホの通知はきっとAを妬んだ醜い言葉やったんやろう。

Aは一度も俺に相談したこと無かった。

Aは強がりで人を巻き込もうとしん性格やから俺には一度も弱った顔見せへんかったし、必死に笑顔を作ってた、なんて思うと胸がギュッと押しつぶされそうになって。

「ごめ、俺、ちょっと用事出来た。」

そう言って向かう先は、決まっている。

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「…っ！」

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俺は、俺は、Aって叫んで抱き締めて謝りたかった。

やけど、俺の視線の先のAは新しい友達と笑っている。
俺が寄ったらまたAが虐,められる。

あんなAの笑顔見たら、壊したくなくて、汚い俺があんな笑顔に出来るはずが無くて、
ずっと笑顔でいて欲しくて、俺はその場から立ち去ることしかできひんかった。

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もう、Aには俺は必要ない。

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