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「···廉ってほんとに自分勝手。」
零れた言葉は廉を侮辱する言葉で
自分でもなんでこの言葉が出たかはわからないけど
廉を見ると「...え、」と切なく声を洩らして
驚いた顔をしてるのが伺える。
「あ、え、と、ごめん。」
下を向くことしか出来ない、
「...そやんな、ごめ、Aが決めることやのに何言ってんねんやろ。」
少し顔を上げて廉をちらと見ると、頭を搔いて早口で
「あ、えと」
こっちまで焦ってくるのに。
「ええよええよ、紫耀のとこ行きたかったら行って」
なに、その言い方。
「...もういい」
今のは、全てにおいてのもういいだったのかもしれないけどとにかくこの場から逃げたかった。
やっぱり、元に戻るなんて出来ないのかもしれない。
だって、自分の足は早歩きなのに何処か重くて震えてる。
ギュッと握った手は熱を含んでジリっと濡れる。
「A〜帰ろ?」
「うん、!あ、でも私寄らないと行けないとこある」
「あーじゃあ今日先帰るよ?大丈夫?」
あの後、教室に戻ったけど視線は痛くて冷たくて放課後になると皆はパラパラと散らばって行く。
話しかけてくれた天に、断りをいれて向かう場所は
屋上。
こんなウジウジな私にも心配してくれて話し掛けてくれる親友だっている。
好きだっていってくれる人だっている。
のに、素直になれない私が一番、惰弱な人間だ。
思いっきりドアを開けるとスカートが脚に張り付くように風が押しついた。
「先輩...、っ!」
そう声を掛けようとしたのに、なんで居るの?
...廉、
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作者名:麗夢 | 作成日時:2018年7月20日 14時