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永瀬に言われて、頬に指を添えると水滴がつく。
自分じゃ気づなかった。
なんで、泣いてるの。
焦るとかえって溢れる涙。
「俺な、自惚れててん。」
そんな時、話し始めた永瀬はまた遠くを見てる。
「Aはずっと俺の隣にいるもんやって思ってたから。将来だってAとしか考えたこと無かった。やのに、あん時、俺、行けへんかった。簡単なことやのに無理やった。」
「俺が近づいたらAが笑ってるとこ見れへんくなる。そんなん嫌やってん。」
アホやろ？って言ってハハッと笑う永瀬
「あん時、意地でもAの隣に居たら何か変わってたかな〜、…ほんまサイテーやわ」
「…サイテーなんかじゃない。廉はサイテーなんかじゃなかったよ。」
「突き放したのは私。あの時ああでもしないと私の心は死んでた。」
「廉が離れていくのを感じて内心ホットした私が居たの。サイテーなのは私の方。」
言葉が自然と出てきて、�猯��瓩辰童討戮討觴�分が居た。
足が震える。
「お互いサイテーなん？」
「私だけだよ。」
「ちゃう。俺も酷いことした。Aに対してじゃなくても。」
「何？」
「覚えてへんの？俺が女遊び酷いってこと。」
「あ、」
目が合った時は怖かった。あの時の廉は廉じゃなかった。
今日だって可愛い女の子と歩いてたし。
「アレは利用やった。
噂が回って、Aと出会って目が合った時俺の中で何かが壊れてん。見てくれた、それが唯俺の中にあって。それで、」
「そっか。……私達はお互い馬鹿だったんだよ。」
2人の視線がかち合う。
何年かの蟠りが解けた。
…気がした。
「なあ、俺、Aのことやっぱ好きやで。」
「……うん。」
「Aは？」
「わかんない。色々あったし気になることもまだあるし」
「ああ紫耀のやつ？」
「そう。私、実は何処かで出会ったことあるのかな。もーわかんないや。」
「俺、聞こか？」
「…いいの？」
「おん。これからは力になりたい。今まで遠回りした分取り返したい。」
「ありがとう。」
それから、ちょっと思い出話をしてお互いにおやすみを言い合った。
考えられない。
ベッドに身を預けて放心状態。
こんな呆気なく仲直り出来て、こんなことなら早くしとけばよかった。
その時は漠然にそう思った。
これからどうなるかも知らずに。
───「平野紫耀。…潰す。」
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作者名：麗夢 | 作成日時：2018年7月20日 14時
