Genoise【短編集】 (ページ13)

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汐恩『ふたり来たでー』

翔也『お！！2人警察だ〜！ぼく囚人とかやれば良かったなあ〜』

碧海『おお、2人とも似合ってんなあ！』

由紀『ありがとう〜！』

｢ありがと、｣

少し恥ずかしいけど思ったより好評で安心した。

.........祥生くんは何もいわないけど。

碧海『A、こっちくる？』

碧海が少しずれてくれて碧海と祥生の間の空いた所へ座る。
気まずい。祥生が何も言わない。

祥生の方をチラっと確認するとお菓子をモグモグと食べている。

｢祥生、それ美味しい？｣

『え、あぁ、.........美味しいで？』

｢そっか｣

やっぱりちょっと素っ気ない。
白いブラウスにマントをつけてドラキュラの仮装をした祥生はかっこよくてドキドキが止まらないのに、素っ気なさが気になって違う意味でもドキドキする。

でも、勇気を振り絞って、

｢祥生、ドラキュラ似合ってる。かっこいいね｣

そう言った。
すると祥生は耳まで真っ赤に染めて、でも素直に『ありがとう』と返ってきた。

『.........あっつ、』

もうこれ要らんわ、とリボンを解いてマントを外し、それを私の膝の上にかけてきた。

『寒いやろ？これかけとき。』

｢寒くないよ？｣

『寒いやろ。』

恥ずかしかったのと謎の威圧感があったのもあり、ありがたく拝借することにした。

汐恩と由紀がいつものように小競り合いをしていたから私たちの会話は目立っていなかったけど、碧海と翔也は目配せしながらニヤニヤと私たちを見守っていた。

碧海『青春ですね』
翔也『青春ですねぇ』

『ええって.........』

それに更に顔を真っ赤にする祥生。
祥生が赤い理由は分からないけど気まずさはさっきより無くなって少し安心した。

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