誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに (ページ12)

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6.逸らしたくなる熱。ページ12

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源氏物語の最初は帝と桐壺のお話。とは言え主役はあくまでも光源氏。
そんなわけで、彼の元服後……葵上との婚約までは重要シーンをかいつまんでやるらしい。例えば源氏が恋に落ちるところとか。そこは確かに重要っちゃ重要だ。

個人的に外してほしくないシーンもいくつかあったりして。
例えば六条の御息所の話とか。2人の駆け引きってどこか伊勢物語にも近い気がする。
あれか、在原業平と藤原高子の話に近いよね。実際には光源氏のモデルは河原左大臣と言われているけど。

時々監督の直しが入りつつも順調に進み空蝉の話直前まで回ってきたが、ここまで休み無しでやっていたために休憩をとることになった。

電源を消していたスマホを確認すると、声優部門のマネージャーさんから連絡が来ていた。
内容は、オーディションの話が来ているから仕事が終わったら事務所に来て欲しいとのこと。ここ数週間こっちのマネージャーさん達との距離が出来ていたのが不安だったが、オーディションの話を回してくれるのはとても嬉しい。

空蝉は元は上流階級の人だったが、後ろ盾であるお父さんを亡くしたことで中流貴族の後妻になる。つまりはプライドがそこそこありながらも年の差婚して、地位も下がってしまった人。
関わる人としては光源氏の他に夫の伊予の介、彼の前妻の子供たちがいる。そのうちの1人が紀伊守。

光源氏との最初の出会いは、方違え。本来の目的地が方向的に悪いからと目的地への方角を変更すること。それにより2人は出会った。……決して良い出会いとは言えない。
彼女自身もまた、方違えにより光源氏と契りを結んでしまったことで彼から猛アピールを受けても、「独身の頃だったら良かった」と言っている。

一夫多妻が許されているから彼的に問題は無くとも、空蝉としては複雑だったろう。
現代に置き換えると大問題だけど。

こうして考えると人は見かけによらないとは言え、正門さんの雰囲気って源氏とはかなり離れているよね……。

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