その少女、生徒会長につき (ページ50)

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(手間掛けさせやがって…。)

そうこうしてる間に、上から下がるシャッターは淡々と閉まられていく。
俺様は姿勢を低くさせたまま踵にいっぱいの力を込め、地を蹴る。刹那に縮まるゲス共との距離。

空野葵の髪と捕らえる奴の顔の僅かな隙間に狙いを定めて足を振り下ろす。
バランスを崩した男には構わず、横目に離された空野葵とカメラが無事と確認。続いてお仲間の近くまで力加減を調整し突き飛ばしてやる。
最後に扉が潜れる距離になった瞬間を見計らい、相棒を出現させる。

「持ち堪えろ！」

この一言で察しがついた相棒はシャッターの下部分を鷲掴む。
そのお陰で伝わったのか、空野葵はお仲間に引っ張られ合流成功。相棒はオレの背中へ吸い込まれた。
退路を絶たれたオレはスタジアムへの道のりを教えてやった。段々と遠ざかる足音を聴きつつゲス共を見下す。

「鍛え方が違ぇんだよ。」

ザマァと嘲笑ってオレは踵を返した。