その少女、生徒会長につき (ページ44)

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懐かしの彼ページ44

西園「揶揄われたのかも…。」

控えめな西園くんの発言に、松風くんの瞳は不安で揺らぐ。
狩屋くんによれば、今私達が居るこの滝の前で合流予定らしい。
マモ兄はその内来るだろうと陳述。
次いで彼等に特訓に対する意識を向けさせるべく、選手達の前に出た。吹雪さん等も。

円堂「皆！今からこの島で特訓をする。この島の自然の中には、レベルアップのヒントが必ず有る。しっかりやってくれ！」

不安で肩を落とす松風くんを気にしつつ、そう鼓舞した。
雷門イレブンは揃って上の指示を是とする。

忽然、ガサガサと木々が不自然に立てた音が鼓膜を刺激し、数枚の葉が舞いながら付近へ落ちてくる。
反射的に65度程で見上げれば、木々の間にて絡み合う蔦を利用し、ターザンをする彼の姿が。
まるで彼等に自然の扱いを一部だが見せ付けているようだ。
やはり森の管理者なだけあり身体能力が高い。
秘かに感心してると彼―――シュウさんは蔦から手を離し、私達の右斜め後方へズレ無く着地。

松風「シュウ！」

シュウ「僕はこの島で育ったんだ。だから島の地形の事はよく知ってる。今やったみたいに、此処の自然と遊んでいれば、きっと君達も出来るようになるよ。」

シュウさんは森を見渡しながら言う。
彼を信じて疑わない松風くんと西園くんは好奇心がそうするのかはしゃぐ。
神童くんが疑問を口にしたが彼は答えず、未だ興奮が収まらない２名と興味が湧いただろう者に優しい微笑みを向けたまま、頬を綻ばせる。

静乱(嗚呼…彼だ。)

少年の綻びで疑念が確信に変わった。
この時、私は数年前に会った少年と彼が同一人物だと確信したのだ。