重なり想うイマージュ (ページ23)

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一話･厄災の招きページ23

現況確認後、魔法舎を立ち去ったオーエンとミスラ。二人は早々に此の場から離れようと、移動しようと箒を出そうとした―――が、其処に一名の同胞が現れる。

「呪い屋の容態は如何だ。」

　二人はほぼ同時に振り向く。彼ら―――オーエンとミスラは自分の目を疑った。それもその筈。今まで行方知らずだった同胞が、自分達の前に忽然と姿を現したのだから。

「ジュビア…。」
「何故貴方が此処に？」
「どうやら今回は見過ごさないらしくてな。」

　オーエンにジュビアと呼ばれた男性。彼は人間から恐怖心を抱かれる北の魔法使いの反応に、面白い物を見た、と可笑し気に笑みを深めた。と思えば悪態ついて舌を出すジュビア。又もや驚愕に染まる二人の瞳。それに満足してかジュビアは舌を口へ引っ込め、オーエンとミスラに問い掛け始めた。

「消える筈だったコレが意味すること。お前等なら解るだろ。」
「えぇ、まぁ。」
「わざわざ召喚したんだ？」

　オーエンは先程のジュビアからの質問に答える。

「あのままじゃ助からない。でも……。」
「賢者の力を使えば確かですね。」
「ふっ…賢者なら来るぞ。」
「根拠は？」
「アソコ。」

　そうジュビアは複数のシルエットが浮かぶ方向を指し示した。
　然し。漆黒の物体に乗る人物が自分達を見据えているなど、ジュビア達は勘付けずに居た。