★イケメン！★

その12（三浦翔平） ページ13

まだ呆然としている。





あの驚きの発言の後、現場がプチ修羅場になったのは言うまでもない。





結局収拾がつかなくなり、

ヒロイン交代の件は後日要検討ということで

その場はとりあえずお開きとなった。





わたしのどこがそんなに気に入ったんだろう。





なにはともあれ、





A「ふふっ」





こんなに大変なことになっているのに不謹慎かもしれないけど、





私じゃなきゃいや、なんて。





言われて嬉しくならないわけがない。





そういえば、あのヒロイン役の子は悔しかっただろうなあ…





ちらりと思ったが、テンションがあがりすぎて、たいして気に止めなかった。





涼介くんに自慢しよ♪





うきうきしながら家に向かおうとしたが、





涼介くんはドラマ撮影で遅くなるらしいから、今日は私が料理を作らなきゃいけないんだった。





買い出しに行かないと。





慌てて近くのスーパーに立ち寄る。





あ、イチゴ安い！





涼介くんイチゴ好きだから買ってあげよう。





喜ぶかな。





手に取ろうとしたとき、私の手に誰かの手が重なった。




A「あっ、すみません。」





慌てて手を離す。





見上げると、その人は深く帽子を被ったうえにサングラスにマスクで完全防備した若い男の人だった。





めちゃくちゃ怪しい。





てかわりと怖い。不審者？





無意識に睨みつけていると、

察したのかその人は人差し指を口元に当てて『しー』とジェスチャーして、

帽子とサングラスとマスクを順に取っていった。





『しー』と言われたのにびっくりして私が声をあげそうになるのを、

その人が私の口を手で覆って防いだ。





その人がおちゃめっぽく言う。





三浦翔平「ね？ 怪しい人じゃないから、お願いだから騒がないでね。」

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