★イケメン！★ (ページ11)

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その10（ちゅーの罠）ページ11

いやまて、これは罠だ。

A「するわけないでしょー。」

おでこをぺちんと叩く。

涼介「ちえー、けちー。」

にやにやしながらそんなことを言う。

よくぞ誘惑に耐えたな私。

いたずらっ子め、

ほんとに私がチューしようとしたらうそだよーとかいってからかうにきまってる。

でももし本気にしてたら本当にキスできたかも…って、ないない。

じゃ、と手を振りあって玄関で別れた後、私は事務所へと急いだ。

A「おはようございます！」

事務所に着くとすぐ社長に呼ばれた。

まず、私にエキストラのオーディションの話が出ているらしい。

しかも、女優になって始めて出る作品は映画だそうだ。

きっと社長ががんばって私を推してくれたのだろう。

二つ返事でOKした。

それから今日、

有名な監督が近くでドラマ撮影をしているから、彼に私を紹介してくれるとの話。

うわ、これめっちゃ期待されてないか。

ここまでされるとちょっとプレッシャーだ。

しかしせっかくの好意を断れるはずもなく、すぐに社長と現場に向かった。

撮影現場に着いたが、なぜかセットに見覚えがある。

なんと、向井理主演のあのドラマだった！

ということは、本物の向井理に会えるかも！？

監督と挨拶を軽く済ませ、辺りをうろついていると…

ドンッ

向井理「おっと、すみません大丈夫ですか？」

華奢な割にしっかりした手で肩を支えられた。

顔を覗きこんで心配する向井くん。

顔ちっちゃ！まつげ長っ！肌綺麗…！

なんていろいろ思っていたら返事が遅れてしまった。

A「あっ、ごめんなさい！！大丈夫です！」

真っ赤になって彼から離れる。

向井「ならよかった。急いでるんで、すいませんお気をつけて。」

あっという間に去ってしまった。

まあでも向井くんとラブコメみたいなことになっただけでも奇跡だよね。

ちょっと向井くんの演技見に行こ。

そう思って、スタジオに向かった。

…途中で迷子になったせいで、私が行った時にはもう休憩時間になっていた。

ヒロイン役らしき女性が向井くんの方へ駆け寄っていくのが見えた。

…アヒル口に鼻声のような甘え声の、苦手なタイプの人だ。

近くにいるスタッフさんも眉間にシワを寄せている。

すると。