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2章:5話〜不思議な夢 II 〜 ページ4

「で、見せてもらえるかな?」


俺は白衣を着たその人に
鼻を高くして尋ねた。


するとその男は美しい敬礼を崩さずに
コクリと頷く。


「Dr.マール様の為ならお見せします」


俺は恐る恐るその男が
開けた薄汚い埃まみれの戸の奥を眺めると
そこには大きな花がそびえていた。


その花はピンク色をしていて
葉っぱに牙がついている。


ビルの4階建てくらいの大きな花は
花びらから少しだけ
よだれのようなものが流れ落ちる。


恐らく人間も溶かすことのできる粘液だろう。


「これが……武器なのか?」


すると別の長身の男が
敬礼をしてこの気味の悪い花に触った。


触ったその瞬間
その男はその花の茎により
食われてしまった。


赤黒い血が吹き出し
地面に飛び散り
あっという間に男は死に絶えた。


「どうですかな?
これは武器になると思いませんか?」


後ろから別の人物がやってきて
こう告げていた。


その人物は黒いマントにある
フードを被っているので
顔が全くわからなかった。


声は太くて低く
地面から響くような声だから
男性でほぼ間違いないだろう。


「はい、そうですね。
これは武器になるかもしれません。
しかし……」


俺は途中で口を閉じた。


これまでに感じたこともない恐怖が込み上げて
息が詰まりそうな苦しさを感じるからだ。


その謎の男は
俺の横で静止し
赤い目でこちらを凝視していた。

その目の奥には
悲しみの涙と後悔の念が入り混じっている。


「Dr.マール。
君にとって大切な人は誰ですか?」


「俺は……」

少し迷った。
俺には大切な仲間がたくさんいて
その仲間こそが大切な人だと思っている。

セルピンだって本当はいいやつだし
ハミネスはみんなを励まそうとしている。

カーズだって明るいやつだし
みんな俺にとってかけがえのない友であり
家族だ。


しかし彼はそれを否定するかのように
違う人物をあげた。


「当ててあげますよ。
ティナちゃんですか?」

と。


ティナという人物は初めて聞いた。
いったいそいつは何者なんだ?

6話〜不思議な夢 III 〜→←登場人物2



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設定タグ:ファンタジー , 男主 , 名前変換オリジナル   
作品ジャンル:SF, オリジナル作品
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うららk - 狐里雪乃さん» あのイベントは消したのですか……。知りませんでした。この話のオチは驚くと思いますが、最後まで見てくださると嬉しいです。あなたの作品もいつか見にいきますね! (2017年11月8日 10時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
狐里雪乃(プロフ) - コメント失礼致します。先日はご参加ありがとうございます。実はイベントの方を削除致しまして、そのお詫びに参りましたm(__)mですが折角なのでゆっくりと作品の方、拝見させて頂きます。 (2017年11月8日 9時) (レス) id: e23e1413a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:心の雨と虹の空(元うららk) | 作者ホームページ:ないよー!  
作成日時:2017年11月2日 13時

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