１２話〜檻の中〜 ページ11
「起きろ！ 起きろよ、兄さん！」
微かな白い光の中に
誰かの声が聞こえる。
少し高めのこの声は
ハミネスの声か？
俺は恐る恐る目を覚ますと
黒と白のシャツを着せられたハミネスが
青い顔をさらに青くして覗き込んでいる。
俺は起き上がって
辺りを見渡した。
無数の数の鉄骨が
規則正しく並べられている
檻の中にいたのだ。
打たれた部分である背中を眺めると
真っ赤な血が固まりかけていた。
あれからずいぶんの時間が
経過していたようだ。
服は彼と同じシャツを着せられており
軍事服は敵によって改修されてしまったと
見てとれる。
「A！ ひどいことはされてないか？
殴られたり蹴られたり屈辱を味わえさせられたり」
俺は首を横に振り
ユーナが拳銃を撃ったのだと教えると
彼は俺から目を背けた。
「やっぱりか。
お前は知らなかっただろうけど
ユーナ・マグノリアスは
凶悪犯として有名だった女犯罪者だったんだ」
それは本当なのか？
あの優しくて可愛いあの子が犯罪者……。
いや、何かの間違いだ。
ユーナと名乗る人間や神族は
もっといても可笑しくない。
俺は目を見開いて
落ちこぼれた堕天使のように
息を殺してじっとしていた。
彼は俺の方に目を向けて
苦笑いをしている。
何を考えているのやら。
「……そういえば話したいことがあるって
言っていたよね、兄さん」
「ああ、その件に関してだが……」
俺はポケットから１枚の写真を手に取り
彼に見せた。
これは俺の軍事服に搭載されている
ベルトにある小型カメラで撮ったのだ。
あの白衣の文字を。
「この意味、分かるか？」
ハミネスはその写真を手に取り
まじまじと眺めていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うららk - 狐里雪乃さん» あのイベントは消したのですか……。知りませんでした。この話のオチは驚くと思いますが、最後まで見てくださると嬉しいです。あなたの作品もいつか見にいきますね！ (2017年11月8日 10時) (
レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
狐里雪乃(プロフ) - コメント失礼致します。先日はご参加ありがとうございます。実はイベントの方を削除致しまして、そのお詫びに参りましたm(__)mですが折角なのでゆっくりと作品の方、拝見させて頂きます。 (2017年11月8日 9時) (レス) id: e23e1413a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：心の雨と虹の空（元うららk） | 作者ホームページ：ないよー！
作成日時：2017年11月2日 13時
