5 ページ9
「着きましたよ」
ポートマフィアとは大違いのこじんまりとした建物だった。
「有難うね、中島さん」
「い、いえいえ！困っている人を助けるのが僕の仕事なので！
では僕はこれから用事…があるので、失礼しますね」
用事、と言った時の表情から可也嫌な用事なのでしょうか。
扉を開けると、直ぐに数人がこちらを向いた。
「ご依頼の方ですか？予約はされてない様ですが…」
気弱そうな青年が声をかけてきた。
なんと言うこと！予約制だったの！
まぁでも、関係無いかしら。
「直ぐに済む用事だし、お金も幾らだって差し上げるわ。
だから話だけでも聞いてくれないかしら？」
戸惑う青年が何か言うより早く、奥で菓子を頬張る細目の男が云った。
「良いんじゃない？話聞くぐらいならさー！それに…
面白い事が起きそうだし」
見透かされたような気持ち。
何者？
「はぁ…乱歩さんが言うなら…」
乱歩さん、ね。
要注意。
客間に案内され、依頼を尋ねられる。
最初に話しかけてきた青年_谷崎さんの周りには探偵社の面々が集まり、興味深そうに私を見ている。
「異能力者ってご存知よね？
ここの能力者を__
___お借りしたいの」
もしかしたら死んでしまうかもしれないのだけれど。
「出来れば
一人でも二人でも構わないわ。」
肝心の依頼内容を言ってないので不思議に思われているでしょうね。
でもそれを言ったら絶対に引き受けてくれないもの。
こう言うしかないじゃない。
「報酬は…出来高によるけれど取り敢えず300万でどうかしら？」
「あの…依頼内容は？」
「人材が先よ。後で説明するわ」
おかしな依頼だけれど、慣れているのか探偵社側は直ぐに一人、背の高い真面目そうな男を連れてきた。
嗚呼、素晴らしいヒト
「国木田だ。」
握手を求めて手を差し出す国木田さん
そんなに手を近づけられたら……
「国木田さん、貴方、素敵ね……ふふ、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ウーロンの悲劇(Gavel) | 作成日時：2016年12月5日 21時
