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「あ”−−−っ！！」
ポートマフィアのとある一室。
いきなり大きな声を上げたのはその部屋の椅子にだらしなく身を投げ出し座っている「黒原A」である。
くるくると椅子を回し駄々を捏ねる子供の様に、扉の近くに立っていた側近の男に命令する。
「嗚呼、お腹が減ったわ！ねぇ其処のアナタ、何か�犹笋�食べられるモノ�瓩鮖�ってきて下さいな！但し�犧脳絅皀劉瓩茵�
私は最上モノが食べたいの。今すぐよ」
ここ数日不眠不休で働いていた彼女のイライラはMAXである。
そんな無茶な、とたじろぐ男だったが、今にも爆発しそうな黒原の命令に背いたらどうなるか?確実に殺される。
非常に拙い状況、我が身の危機を感じた男は
「最上モノ持ってきます！」
と威勢よく言い急いで部屋を出た。
無論最上モノの宛はない。というか最上モノが何なのかが先ず判らない。
幹部級の人間だけがわかる暗号のようなもので、何か食べるものだというのはわかるのだが。
噂によると彼女は相当の偏食で滅多にお目にかかれない高級食材を好んで食べるとか、
最早七不思議に匹敵するくらいの謎である。
兎に角、疾く行かなければ。
こういう時、自分が行く所は決まっている。
硬い、大きな扉を3回ノックする。中から入室の許可が出る。
「失礼致します。黒原様が最上モノを所望です、いかが致しますか_
首領」
此処は首領の執務室。「黒原Aが最上モノを所望した場合」此処に来るのがルールとなっていた。
しかしルールとは言っても彼女が最上モノを要求したのは今まででたったの2回きり。
今回で3度目ということになる。
「黒原君が？…最近消費の激しい仕事を頼み過ぎたかな。しかも生憎持ち合わせも中也君も居ないしねぇ…」
消費の激しい仕事ってなんだろう。そして何故中原幹部の名前が出るのだろう。
よくわからない首領のつぶやきに軽く混乱した。
「…そうだ、君！黒原君と、それから中也君にも伝達を頼めるかい？なるべく直接。」
「勿論、伝達内容はいかがされますか」
「黒原君には
『武装探偵社から好きなモノを取って喰って構わない。但し単独で行くように』
中也君には
『今の任務が終わり次第武装探偵社から黒原君を回収せよ』
と、宜しくね」
「はい、では失礼致します。」
武装探偵社に最上モノがたくさんあるらしい。
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作者名：ウーロンの悲劇(Gavel) | 作成日時：2016年12月5日 21時
