【文豪ストレイドッグス】血の子午線 (ページ13)

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「……太宰?
何故、貴方が

太宰治」

久しぶりに見た太宰は光を浴びていた。

髪も目も服も表情も心も血も肉も
真っ黒、マフィアの黒だったあの太宰が

「太宰さん！」
「太宰！」
「遅いぞ太宰！」

光を、浴びていた。

呆然としていたが、ハッとして気を引き締める。
だって相手は太宰。異能力無効化だ。

私の天敵。

普通の異能力者に於いて、異能力は文字通り'無効化'されるだけに留まる。

でも私の場合__

「久しいね、A
探偵社に御食事かい？

生憎だけれども、他をあたったほうが善い

でなければ_
_"触れる"よ」

こうやって脅されるほど、今異能力が無効化されることは危険。

一歩、後退る度
一歩、近づく

未だ全部消化しきっていない、異能力が発動できる条件が未だ揃っていない。

探偵社の面々は戦闘態勢に入っている。

窓枠に手が掛かり、もう逃げられないのだと悟った。

直後、私は中也の腕の中にいた。