【本編】宮城県立呪術高等専門学校！？

【月涙/2学年/ちぇしゃねこ】 ページ13

学長である蛇穴隆之に【交流会開催】の旨が知らされてから数日後。
交流会前日。
月涙は期待と不安に胸がドキドキとなっていた。
期待によるものなのか、恐怖によるものなのか、本人(人？)である月涙も把握できないほど。

「交流会...、憲紀に会える...と思うのだけれど...。もしかして、東京校とだけ...？いえ、さすがに、ない、わよね？......、アイツ(五条悟)には会いたくない...」

憲紀関連の事は凡てポジティブに捉えるきらいのある月涙だが、五条悟(嫌いな奴)と会うかもしれないということにネガティブ(いや、普段通りか)になっていた。

「はぁ...」

一つため息を吐けば白い肌に映える黒髪はさらりと流れ憂鬱そうに目を伏せ柘榴の瞳に影を落とす。
一つ一つの動作が絵になる。
夜のとばりが落ちた冬景色でたたずんでいるのが似合うような――。

prrr...prrr...。

電話の着信を知らせる音が響いた。
月涙は緩慢な動作で音が鳴る携帯を手に取り電話をかけてきた相手を確認しようとしたが画面を視界に移した途端、嫌そうに顔をしかめた。

画面に映る名前は【クソ】。
端的すぎる悪口で、連絡先を交換するような相手に着けるような名前ではない。
その名前を付けた相手は、

「五条...悟...」

月涙が憲紀に会える可能性がある交流会を憂鬱に思う原因だった。

電話を切ろうと左側のボタンを押そうとしたがその結果余計面倒くさい事態に発展したのを思い出し仕方なく右側のボタンを押してやろうか、と思い直した。

この決心をするまでにゆうに1分近くたっているのだが着信を知らせるコールが鳴りやむ気配はない。

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