「あなた」へ言いたい、39回目の初めまして！ (ページ28)

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その後の初めましてページ28

　
　
　
シンとした部屋の中、こんな緊張感を感じたのはいつぶりか。
淡々と時間が進んで、言われた言葉をゆっくりと咀嚼する。握ったハンカチは濡れているのに、指先は酷く冷たい感覚が伝わってくる。

「……そう、ですか」

絞り出した声は掠れていた。
笑顔で「なんか変な事しちゃったのかなー！なんて思いまして！」と繕うけれど、本心はただただ怖くて、優しい顔で話を聞いてくれる目の前の大人に震えた指先がバレていません様にと祈った。

「これで、私は“準備期間”って事ですね！」

頷かれたその事実をもう一度噛み締めて、湧き上がりそうになる熱い物を押し込んだ。
これまで38回の初めましてをして、39回目の初めましてを人前で言って、次は40回目の初めましてなんだ。

「そ、それで……教えられる範囲で良いの、ですが……相方というか、どんなチームになりそうですか？も、勿論！全てが守秘義務なら断って下さい！！！」

頭がグルグルして上手く会話の文章が作れない。
それでも、私の下手な言葉を汲み取ってくれた優しい人は少しだけ教えてくれた。
え、と声が漏れる。

その言葉は私にとっても馴染み深いものだった。