はなしたいこと、たくさん ページ23
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「もうすっかり怪我も治ったな〜。どうしよっかな、元気になったら森に帰すか、ここで飼うか………」
机の上に置かれた木箱の中のウサギを見ながら、きりやんさんが一人呟いている。
私ははきりやんさんに歩み寄り、隣から一緒に木箱を眺めた。
木箱の中で、羽の生えたウサギがすやすやと眠っている。
可愛い。
ほんとに無事で良かった。
きりやんさんは、いつものように私の頭を撫でて、迷うよな〜？と話しかけた。
ここで飼いましょうよ、と、返事ができたらいいのに。
「ちょっと買い物行ってくるわ。まぁ、夕方までには帰れると思うけど……。遅くなってもちゃんと帰ってくるから、いじけんなよ？」
そういうと、きりやんさんはいつものように私の鬣を両手でモフモフとこねくり回した。
はい、いってらっしゃい、というつもりで短く鳴くと、きりやんさん優しく笑って、部屋を出ていった。
きりやんさんに拾われてからどれくらい経っただろう。
なんとかして人間の姿に戻りたいと思うけど、
正直、今のままでも十分幸せだ。
きりやんさんは、美味しいご飯をお腹いっぱい食べさせてくれるし、
私はまともに返事もできないのに、いろいろと話し掛けてくれるし、
何故かこちらの言いたいことを割と読み取ってくれるし、
優しい手付きで撫でてくれて、
笑いかけてくれる。
幸せだ。
あの頃に比べたら、天国。
ただ、残念なのは、この感謝を伝えられないこと。
本当に感謝してるんです。
あの場所は、すごく怖くて、惨めで、寂しかった。
きりやんさんが来てくれて、本当によかった。
まさか前世の推しが来るとは夢にも思ってなかったけど…。
ありがとうって、何万回でも言いたい。
そのために、人の姿に戻りたいのに。
どうしても無理なら、一時間とかでもいいから。
そんなことを考えていると、ﾋﾟｨ、と小さい音がした。
鳥かな？と思って振り返ると、木箱の中のウサギが目を覚ましたようだった。
私のような大きな動物が近付いたら怖がらせてしまうかも、と思って静かに下がったけど、
ウサギは小さな羽でパタパタと飛んで、こちらに近付いてきた。
そっと鼻先を近付けると、ちっちゃな前足でちょんと触られた。
可愛いウサギさんは、元気に私の足の間を駆け回ると、また翼を広げて部屋の中を飛び回った。
あ〜、ダメだよ。
部屋の中で飛ぶときりやんさんに怒られちゃう。
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すみれいん(プロフ) - 久しぶりにまた読んじゃいました。ハートがまた押せるようになったのでうふふですね…！！やっぱこのお話好きだし、いつ飼い主じゃなくなるのかなぁってむふむふしちゃいます (5月15日 11時) (
レス) @page46 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - ガナッシュs2さん» 通知が来てちょうど読めるくらいの時間があったので一からまた読んじゃいました…！やっぱりたまにあるクスッとする所好きです笑 (2023年1月10日 2時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガナッシュs2(プロフ) - すみれいんさん» いつもハートありがとうございます！こちらもバタバタしていて更新できてなくてすみません！…こちらの続きもそのうち……！ｗ 必ず………！！ｗ (2023年1月9日 21時) (レス) @page46 id: 1465e56711 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - ガナッシュs2さん» バタバタしておりお返事滞ってしまいました◯¬ 寝れそうになく読みたいと思い再び読みに来ました！しかもハート押せます。キタコレ！！となっております (2022年10月10日 23時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガナッシュs2(プロフ) - トキさん» 番外編も気に入っていただけてよかったです！！！せっかくの異形夢主が人間に戻っちゃったので、番外編で獣ver再登場してもらいましたｗ (2022年9月25日 0時) (レス) id: 1465e56711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガナッシュs2 | 作成日時：2022年8月3日 17時
