身の上話を聞いてあげましょう ページ7
焚き火の近くに腰を下ろし、ロボロはさっき採ってきた木の実を取り出して齧りついた。
野生の木の実とは思えないほど、熟れていて美味しい。
獣は寝床に横になり、寛いでいるようだ。
外はすっかり夜になってしまった。
「……お前、不思議な生き物やなぁ。いつからここにおるん？」
人語を解し、魔法を使う、翼と角を持つ魔獣。
この不思議な世界にも随分慣れたと思っていたが、まだまだ知らないことがあるようだ。
「俺はな………、転生者なんよ。知ってるか？異世界ってとこから来たんや」
ロボロはぽつりぽつりと話し出す。
「最初はな〜、俺らの仲間の一人のグルッペンって奴が転生したんよ。
そいつ、ロクでもない奴でな〜。この世界なら戦争しまくって世界征服できる〜って、思ったらしくてな。
向こうから転生者を呼び寄せる方法を研究して、俺ら仲間を全員こっちに召喚したんよ」
ロボロは懐かしむように笑う。
始めは驚いたが、こちらの人生もなかなか悪くなかった。
まさか、漫画やアニメで散々見た異世界転生を、自分が経験する羽目になるとは思わなかった。
「計画は順調やった。
転生者は大抵魔力や身体能力に恵まれてるからな〜。
こっちの世界の文化や魔法を調べて、どんどん登り詰めて、
最近じゃ戦争三昧やったんよ」
十数名のチート転生した仲間達。
カリスマ性と野望を兼ね備えたリーダー。
何もかも順調だった。
「で、油断したんやな。
敵が自分の命と引き換えに放った呪いにかかって、
このザマや」
油断の代償は余りにも大きい。
「あいつらも、同じ呪いにかかってるんかな……？早く探してやらな」
ロボロはぽつりと呟く。
焚き火の火は弱まり、もうすぐ消えてしまいそうだ。
火が無くなると急に寒くなり、ロボロは掌を擦り合わせ、息を吹きかけた。
「さむ……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 456人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちもち - rbr「火力不足だ、出直せ」 め、名言来ちゃ〜!!! もう作者様愛してます！！だいちゅｋ(((( 続編に期待してもいいスカ⁈ (2023年2月21日 22時) (
レス) @page38 id: 057b0a6fab (このIDを非表示/違反報告)
krn🦒 - ガナッシュs2さん» お好きなんですよぉ〜！()ガナッシュs2さんやっぱ書き方お上手ですね！ほんと読んでて面白いです！好きですありがとうございます！！！ (2022年9月26日 8時) (レス) id: f85e9a6557 (このIDを非表示/違反報告)
ガナッシュs2(プロフ) - krn🦒さん» 気付いてしまいましたかっ……！！てか、ｄ！もお好きだったんですね！！そうか、ああ、運命！！なるほど…！！ (2022年9月25日 0時) (レス) id: 1465e56711 (このIDを非表示/違反報告)
krn🦒 - あぁ…この神作品ってガナッシュs2さんのやったんですね！なんだぁ…そっかぁ！！…………えぇ？？マジですか？？ちょっと前にパソコンで見てて(これはスマホです)「わっ！これめっちゃおもしろ！！好きｯｯ！！」ってなってたんですけど…？？なるほど運命か() (2022年9月22日 14時) (レス) id: f85e9a6557 (このIDを非表示/違反報告)
ガナッシュs2(プロフ) - このページ開くと、「転生したら邪神の生贄になってた」「転生したら動物になってた」っていう漫画の広告が表示される……w (2022年9月5日 15時) (レス) id: 4fe2c19fa1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ganaches2 | 作成日時：2021年11月4日 4時
