威嚇されちゃった夢女子の話 ページ1
「はー、今日もデクかわいー...」
今日も今日とて、ソファでデクの公式ツイッターを確認している。
見ての通り私は、極度のヒーローオタク。そして、ヒーロー・デクの夢女子だ。
ツイッターの確認、リプやいいねを終えると、夢小説なんかを漁って今日も栄養補給 ! !
前はショートとかダイナマの夢小説が多かったんだけど、最近はデクのも増えてきて助かるー...
...ん、?
デクの...熱愛報道 !?
うっ、うそでしょ、!? 誰と !?!?
＿ダイナマイト?
え、ダイナマ ? まじ↑? デクと不仲過ぎるとか散々ほざいてた癖にえ?? 報道陣どうした ?
しかも同性じゃん。いやいやないない。あー、よかった(現実逃避)
またどうせ誤報なんだろうな。散々ひやひやさせられてきた私には分かる。デクの嫁は私だもん。
...ふーん、テレビ放送すんだ。生放送...。ちょっと見てみよーかな。
悪い予感を胸に、詳しい内容を覗いた。
時刻は...
「12時半...!?」
え、駅前で12時半に生放送!? 私のシフトぴったりじゃん !!
そう。私は駅前のコンビニでアルバイトをしているのだ。しかも今日のシフトはぴったり12時から15時。デクに会える予感!!
今の時刻は11時43分...って、早くいかなきゃじゃん!!
私は急いで支度して、家を後にした。
コンビニに着くと、先輩が待ち伏せしていて、
「遅刻だよ ! 気を付けなよ、?」
どうやら先輩がどうにかしてくれた様だ。
「先輩優し...惚れちゃう」
「あんたにはデクがいるでしょーが」
「いやそういう意味じゃなくて...」
先輩がおふざけモードに入るも、お客さんが来たのですぐにレジについた。
「じゃーね、頑張って」
お客さんの対応が一通り終わって、先輩が帰っていった。
...なんだろう。外が騒がしい。
、!! そーだ、12時半から生放送...!!
私は店内を見回して、お客さんがいないか確認した。そして、急いで外に出でた。
戸惑うデクと、怒鳴るダイナマイト。
「...デクいるぅ !!」
喜びと感動に打ちひがれていると、報道陣の「デートですか !?」という一言が耳に入った。案の定デクは顔が真っ赤になっており、反論しないからそうなのだろう。私の予感が的中してしまったのだ。
「、うそじゃん...」
凄くショックだった。長年夢見てきた相手の熱愛報道だ。当然の結果だ。
すると、ダイナマイトが...
「だったらなんだよ。夢みてんじゃねーぞばぁか !!」
舌を付きだし威嚇する。まるでそれは、私に向けた一言の様に感じた。
ここで、私の夢は覚めた。
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作者名：なっつ | 作成日時：2023年4月8日 13時
