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眉間に皺を寄せる蜜柑の様子を伺ってたら、後ろからぎゅうっと抱き締められた。この声は明良くんだ。
「このパーティー、びみょうにクリスマス＋ハロウィンみたいなとこあるよなー」
振り返ったら、いつもの制服とは全然違うパーティ用の格好をした翼くんと美咲ちゃん、明良くんがいた。
「美咲ちゃん、可愛いすぎるっ、」
ギューっと美咲ちゃんに抱きついた時に思い出すのは、のばらちゃんのこと。
クリスマスの準備の時、水を汲みに行った後から帰って来なかったのばらちゃん。今日は会えたら良いな。
「Aー、俺はー？俺については何もないのー？」
「明良くんはね、いつも格好良いよ」
寂しそうな、からかうような顔をしてあたしの顔を覗き込んだ明良くんにそう言ったら、顔をスリスリされた。
「かーわいーなー食べちゃうぞー！」
「おいおっさん、本気臭漂ってんぞ」
「おやおや、みんな勢ぞろいだね──」
そんな声が聞こえて振り返ったら、サンタの格好をしている鳴海先生が。皆は先生に手を差し出した。
「｢｢｢｢わ──い、サンタさ──ん♡♡
プレゼントくれ──｣｣｣｣」
「え…」
話をチェンジして、ドラキュラをモチーフにしていて羽がついた衣装を着ている流架、魔法使いの帽子を被った陽一くんもいた。スミレちゃんは早速、蜜柑と何か話してる。
「それにしても！女の子はいいねー♡初･中･高それぞれドレス２パターン」
「後夜祭同様、男の扱いとえれー違いがあるよなー」
あたしの衣装を引っ張った翼くんは目を細めた。翼くんの言葉に耳を傾けて、確かにその通りだと思った。
因みにあたしの衣装は蛍と同じで肩が出てて、ウエスト辺りに可愛いリボンがついてる。選んだのは勿論、蛍。首のリボンのチョーカーは、ちょっと擽ったいな。
「あ、でも初等部男子は２パターンあるの？」
「流架と陽一くんも衣装違うんだねっ。凄く格好いい」
「ありがとう」
流架は顔を赤くしながら言ってくれた。陽一くんはどうしたんだろう、返事が返ってこなかった。
「よーちゃんも似合ってる──っ」
「はっ」
「ありゃ。あいからわず、かわいくないのー…」
プイッと顔を反らして流架の服を掴んでしまった。陽一くんは何だか寂しそうな顔をしてる。
そういえば、璃音くんと棗くんがいない。開会式の時は２人とも秀一くん達と同じ壇上にいたんだけど、何処に行っちゃったんだろう。
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作者名：未来 | 作成日時：2022年11月24日 13時
