417・クリスマス編 ページ22
December 24
5:00p.m
「Aっ、蛍！！はやく──
ホラ！もうみんな会場に集まってるよ」
「まってー蜜柑ちゃん」
「わぁ…っ！」
迎賓館にあたし達の声が響いた。
──今日は待ちに待った
アリス学園主催クリスマスパーティーの日です。
「A、みてみて──
いろんな出店があるよ──！！」
蜜柑の言葉に周りを見渡せば、あたし達の作ったケーキや色んな出店、パーティーの豪華な食事が並んでいた。
それに街の中心には流架達が飾り付けをしたクリスマスツリーが堂々と立っていた。
──
すべてが夢のようなパーティーです☆
「巨大クリスマスツリー！！すごすぎるよぉ！
ウチ、アリス学園の生徒でホンマによかった〜」
「オレも──」
「｢はしゃぐなアホ共｣」
バコン… ブシュ〜と音がした。飛び上がっていた蜜柑はハエ扱いされて地に落下した。
「もうすぐ役員による式典挨拶が……」
「すみません、代表ー…」
「あ…」
お約束が繰り広げられた。やったのはハエ叩きを持った昴くんとアホ虫剤のスプレーを持った蛍。
「……」
「……」
お互いに手にしている物を見て無言になる今井兄妹。
「今井先ぱ──い、先輩の好物のかにみそといくら！
無事ＧＥＴできましたー。
ハマグリは売り切れでした──、どうぞー！」
「蛍ちゃーん。あっちにかにみそとハマグリあるよー。イクラはなくなったみたいー」
「……」
「……」
そこへやって来た委員長達の言葉にもやっぱり無言で、意外にも好みが似た兄妹みたい。
今井兄妹の(何故か)緊張感漂う、約１か月ぶりの再会による一コマは置いといて…
秀一くんの開会式の挨拶が始まった。
《今年は例年にくらべ、様々な突発的事故などに見舞われましたが、無事このように皆さんとクリスマスをむかえられたことを心より嬉しく思います》
《例年通り、このクリスマスパーティーの夜だけは先輩後輩先生方の垣根をとりはらって、夢の一夜を楽しんで頂く無礼講の夜です》
《今夜の事は今日が終われば全て水に流し、とどめたい思い出は各自、胸の奥に大切にしまって、素敵な夜をすごして下さい》
秀一くんの言葉で開会式は終わった。
隣にいる蜜柑は少しだけ機嫌が悪かった。と言うのも、先ほど棗くんと目が合った時に色々あったらしい。
「Aーっ、相変わらず可愛いなー！！」
「わっ」
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作者名：未来 | 作成日時：2022年11月24日 13時
