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御原はモニターを見つめて口を開いた。
「おやおや、君達は早速ヘマをやらかしてくれたようですねえ。足跡をつきとめられるとは…」
「……っ」
その言葉に柚香は息を飲む。椅子から立ち上がった御原はコンピュータを操作する部下に確認を取る。
「侵入者の人数は？」
「５…いや６名です」
"侵入者"をカメラで撮らえて、モニター越しで見つめる部下は続けた。
「これは…子供です。学園の制服を着用しています」
「ほう…それはそれは。学園側も珍妙な使者をよこしたもんですね」
監視モニターの画面に映し出されたアジトへ侵入するA達の映像を見た柚香と茜の目が僅かに見開いた。
「……御原、この子達をここに誘導しろ」
「あ、茜！？何を…」
「私に命令しないで下さい。しかし、つくづく貴女とは意見が合いますね。では丁重に、我々のもとにお出迎えして差し上げないと…」
御原は口角を上げて怪しく笑って言った。それを聞くと茜は振り返った。
「柚香、大丈夫だから。悪いようには絶対にしないわ」
「……うん」
「何かあれば全力で守る。子ども達の命は絶対に……
志貴さん、柚香のことお願いね」
隣に立つ柚香に聞こえる程の小さな声で呟いた。志貴は静かに頷いた。
柚香の心配する気持ちも分からないでもない。けれど、友人を助けるが為だけにここまで来るその勇気を認めてやらなきゃ、可哀想よね。
「あんた達の思い通りになんてさせてやらないから…」
────これだけは認めたくはないけれど。
もしかしたら、もしかするかもしれないよ柚香…
────画面に写った子供達の顔。茜によく似た瞳の女の子。新汰さんと同じ髪色の男の子。
…そして
どうしてこんな事になってしまったの。
「煙でてないのはこの穴だけだ」
「手足ふんばれよ」
自分達の侵入がバレているとは露知らず。
A達は唯一、煙が出ていない穴を見つけて岩を伝って下へと降りている。
「(ひ……ひ───…っ)」
「お───い、大丈夫か──？」
「は……は───い…」
「落ちてくるなよー…」
一番下を降りる翼は肩にペンギーを乗せて自分の上から
降りてくるA達を見上げた。翼(＋ペンギー)を先頭に蜜柑､流架、A、璃音、棗の順で降りる。
穴はかなり深いようで底の方は暗く、慎重に降りているAと蜜柑は恐怖に顔を青ざめる。
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作者名：未来 | 作成日時：2022年6月27日 14時
