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「っ!!、な…何のこと言って…」
「それはこっちのセリフだよー♡
君らが影で何していようが正直どーでもいいんだけど。
ウチの子達の暴挙に手を貸す程、バカってなると、話は変わるんだよねー♡」
「…鳴海せ、」
「勿論、僕としてもこの件はなるべく、大事にしたくはないから。そのためにも色々とききたい事があってね。
特に、Aちゃん達が探しに行ったっていう"高等部の穴"について、一体何なのか説明してもらおうか………」
ナルごめん…
ごめん……あたし達行くから……ごめん……
ごめんね…杏……
約束守れなくて、破ってごめん…ごめんねっ……
脳裏に蘇るのは遥か昔の記憶で、何年経っても忘れられない言葉はまるで呪いのように蘇ってきた。
同時刻、学園の病院にて。一刻を争う程、危険な状態である蛍が一時的に目覚めた。
蛍…蛍…っ
…蛍ちゃん……っ!
「今井、目が覚めたのか」
「……」
「ああ、もう鎮痛剤の切れる時間か」
「……ぺ…」
「多分そろそろお前のお兄さんが、」
「…ンギー...」
「ん?」
「役立たずが…っ」
「……え…」
蜜柑…A…
「え…」
「う…」
「(ゔ?)」
「あ…石になってないっ」
「何で?!もしかしてウチの
流架を庇う蜜柑とAを光線が貫いた。
誰もが息を飲んだのだが、何故か3人は無事である。
蜜柑のアリスは、まだまだ能力としては低く発展途上。Aのアリスはレベルは上がってるが、スキルは低い。
2人のアリスで、能力の高い石化のアリスを防げたとは到底思えない。
偶然か彼女達の意思かは分からないが、いずれにしても3人を守っているのは幸運だ。
「A、蜜柑!」
驚愕していると、翼と棗が駆け寄って来るのが見えた。翼に名前を呼ばれて思わず、立ち上がろうとするもまだ光線が止んでいない事に気付いた。
「そのまま、ルカぴょん抱いてろ!」
「う、うんっ、ひゃ!」
そう叫ばれて2人は反射的に流架を抱き締めた。未だに状況は分からないが、自分の体の変化には気付いた。
「(な…何か…
どうなってんのウチの体、いつもと変…)」
「(体中あつくて...何か...
温かい何かに、守られているような不思議な感覚……)」
「(もしかして…)」
「!っ」
思い当たる節があった翼は、璃音と棗の腕を掴んで引っ張った。
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作者名:未来 | 作成日時:2022年6月27日 14時