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「あたしだったら、絶対やりたくない!
って逃げてると、思うから......
体質系のみんなの為に、やりたくもない白雪姫の役を、やってる流架は世界で1番、格好いいよっ、」
“You are the coolest guy
in the whole world.”
“あなたは世界一かっこいい男の子です”
少なくとも、あたしはそう感じたよ。
「…ありがとう、A。俺、頑張るよ。Aのおかげでやる気が出てきた。さっきは叫んじゃってごめん」
「…ううんっ。あたしこそ、でしゃばってごめんねっ…でも良かった。流架にこれ以上嫌われたら、どうしようって思ってたから…っ、」
「…え?これ以上って?」
「…流架はあたしが嫌いだからあの時、目を反らしたん
じゃないの?特力で衣装見せた時、流架何も言ってくれなかったから、っ」
「ち、ちがうよ!あれは、その、Aがっ、」
あたしの言葉に驚いた流架は、あたしが思っていた事を否定してくれた。
頬が赤くなって下を向いた流架が何かを言おうとした時だった。
ガシャ─────ンッ!!!!
大きな音が響いた。流架と顔を見合わせて音がした方に駆け出した。
───轟音が辺りを包み込む数十分前のこと。
本物の女の子みたいと言われて、流架の悪かった機嫌を更に悪くさせた張本人は特に気にも留めていなかった。去った方をチラッと見ただけだった。
「それにしても客席すっごい人やね!!」
まだ開いていない幕からひょっこり顔を出して席を見る蜜柑はまだ胸をときめかせているようだった。
「体質系はいろいろとフェロモンっ子が多いからFANがついちゃってるんだよねー。だからこーゆー舞台モノに強いんだよ」
「何かさ──、客の動物率高くない?」
「…そだね」
それはきっと流架のお陰だろう。通路には客席に沿って動物達が並んでいた。
『眠りの森の白雪姫』と書かれた看板を見ながら蜜柑は鳴海に尋ねた。
「ところで先生、この劇って一体どんな内容なん?
何このタイトル…」
「ああ、これね。まあ見たまんま『眠りの森の美女』と『白雪姫』を足して2で割ったような話なんだけど。
ルカ君演じる『白雪姫』と正田さん演じる『眠り姫』が王子様をめぐって繰り広げる、スペクタクルラブロマン(?)って感じかな〜〜〜♡」
「王子様をめぐる女の戦いって、昼ドラかよ」
てかさ、初等部のお子様達には教育に悪いんじゃね?
お前が言うなや
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未来(プロフ) - フリージアさん» ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきます。より良い作品になるよう心掛けておりますのでこれからもよろしくお願い致します (2020年11月12日 12時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
フリージア - いつも更新楽しみにしています!誤字かな?と気になったところがあったので報告失礼します!159の「かくゆう」、 165の「見るに来るのが楽しみだった」「みんなの舞台を台無しにしなくないっ……!」「お客さんもこの舞台を楽しにして待ってる……!!」 (2020年9月20日 17時) (レス) id: f10b12f88b (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - きゃーぽんさん» 率直なコメントで励みになります!ありがとうございます。随時更新して参りますので、よろしくお願い申し上げます。 (2020年9月13日 1時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白くて好きっす (2020年9月5日 15時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2020年8月29日 0時