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昴お兄ちゃんに妹がいたなんて。
蛍ちゃんにお兄さんがいたなんて。




「……教えてくれたって、いいのにね」




向き合う兄妹を見つめながら放ったAの小さな声は、風によってかき消された。




「…ねぇ、いいの?盗み聞きなんかして」



「……だって、気になるやん。

(蛍に「お兄さん」がおったやなんて………
しかもアリスのお兄さんやなんて…
ウチそんな事…そんな事、ねみみにみず(寝耳に水)やよ…)」



「は──、
僕ってば何で今まで気付かなかったんだろう…
今井(・・)総代表に今井(・・)蛍。
よくみれば顔も何となく似てるのに──僕のマヌケ!」




茂みから様子を伺うA達。かなりのショックを受けて落ち込む蜜柑と恥ずかしがる委員長を横目に視線を蛍達に戻した。




「蛍、学園(ここ)に来て半年は経ってるのにさ、一度も会った事ねえって変じゃね?」



「うん、どういう事だろう…」



「(ウチ、蛍に隠し事された…!?)

蛍の裏切り者ぉ───っっ!!!」





突如大声を出した蜜柑は、背後から付き人に頭を押さえ込まれた。




「それにしても、今井先輩に妹がいたなんて…」



「でも何か兄妹ってカンジ、全然しないよな──。いや顔は少し似てるけど」




兄妹水入らずで歩く2人を追うように、野次馬も草の陰からその姿を見ている。


今井兄妹はこの学園では有名人なのだ。兄は潜在能力系代表、片や妹は学園一の期待の新人。


そんな天才兄妹が何を話すのか誰もが気になっているのだろう。その野次馬の数は半端ではない。




「両親からは兄は私が産まれる前にもう、アリス学園に入ったときいてました。それ以来、あなたとは一度も、会う事が出来なかったといつも言ってました……」




いつも冷静沈着の蛍の声がいつにも増して冷めていた。初めての兄との対面だというのに淡々としているのだ。




「…妹が産まれたというのは、両親(彼ら)の手紙で知ってはいた。君が同胞(アリス)で…学園に入ったというのも報告は受けていた。同じ学園にいる以上いずれ会う機会もあるだろうとも…」




余りにも淡々としすぎている昴であるため、本当に2人の間に血の繋がりがあるのかさえ疑うほどだ。




「……何で。
何で、父や母に一度も会おうとしないんですか」




先程まで冷静だった彼女の声に、少しの感情が入った。それは少しの怒りなのか純粋な疑問なのか。
分からないけれどもAはその言葉に固まった。

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未来(プロフ) - フリージアさん» ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきます。より良い作品になるよう心掛けておりますのでこれからもよろしくお願い致します (2020年11月12日 12時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
フリージア - いつも更新楽しみにしています!誤字かな?と気になったところがあったので報告失礼します!159の「かくゆう」、 165の「見るに来るのが楽しみだった」「みんなの舞台を台無しにしなくないっ……!」「お客さんもこの舞台を楽しにして待ってる……!!」 (2020年9月20日 17時) (レス) id: f10b12f88b (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - きゃーぽんさん» 率直なコメントで励みになります!ありがとうございます。随時更新して参りますので、よろしくお願い申し上げます。 (2020年9月13日 1時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白くて好きっす (2020年9月5日 15時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未来 | 作成日時:2020年8月29日 0時

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