星々の輝き、祈り。17【学園アリス】

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「リンゴはAppleで合ってるよ、」


「｢おおおーっ！！｣」


「すごいね、Aちゃん！
英語の先生と同じくらい発音がいいんだね！」





あたしの発音が良かったみたい。パチパチと手を叩いて褒めてくれた。なんだか少しだけ心がホッとした。





「じゃあ、また明日学校でね──！」


「バイバイ！Aちゃん！」





今日のお喋り凄く楽しかった。何だか、学校に行くのが楽しみになってきた。早く、明日が来ないかな。





「Aちゃんとやっと話せたね！」


「いつもスミレちゃんがいたから、話していいか分からなかったもんね…」


「でも、そういう子クラスの中にたくさんいるよね！」


「Aちゃん気づいてないだけで、すごく可愛いし男の子から人気だよね！」


「うん！すごく人気！」





アリス学園に入学してから４ヶ月とちょっと経った頃。目の前に怪しい人がいる。こっちを睨んでいる。けど、怪我をしている。


こういう時はどうしたら良いの、お母さん、お父さん。





「…あのっ、これ…ばんそうこう、あげます。だから、血を拭いてください」





お母さんもお父さんも教えてくれなかったけど、あたしは日々成長しているよ。


こういう場合は、どうしたら良いのかなって自分の頭で考えるようになった。





「…必要ない、」





あたしが渡した絆創膏を受け取らず、スタスタと歩いて行く男の人。追いかけたかったわけじゃないのに、体が勝手に動いていた。





「ダメですっ、手当てしなきゃ、怪我が広がったら大変だから」





男の人の服を掴んで呼び止めた。立ち止まって何も言葉を発しなかったから、血が出ていた場所に絆創膏を貼った。


怖い顔してるのにお花柄の絆創膏が腕についてて、少し面白くてフフッと笑った。


男の人は芹生零といって学園の教師をやっているみたいだけど、そんな風には見えない。


芹生先生って読んだら、零でいいって。何ともおかしな事を言われた。


先生の名前を呼び捨てにするなんて出来ない。けど、何でか呼ばなきゃいけない気がした。





「……怪我早く治るといいですね、零先生」





立ち去ったあたしを零先生が見ていたなんて知らなかった。





「お前の名前は零だ!格好良いだろー!」


「……零か、いいんじゃない?ピッタリだよ。泉水兄にしてはセンス良い名前」


「…名前……ありが…とう…」





幼い頃の幸せな時間は、もう２度と戻ってこない。そう思っていたのに、重ねてしまった……

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