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確か蛍は傘を持ってなかったような気がするし、蜜柑は蛍が心配なのだろう。
「寮に戻ったら、傘持って蛍のお迎えに行こっか?」
Aの言葉に蜜柑は満面の笑みで頷き、寮へと戻る足を速めたのだった。
「雨足が強くなってきたな、今日はここまでにしよう。
………それにしても、(一体何をどうやれば、ここまでカナヅチになれる……あるイミ、スゴイ)」
何故かちょっぴり敗北感を感じている昴は疲れて、溜息を吐いた。
カナヅチのフリをするというのは案外、大変なものだと思う。カナヅチ矯正湿布を貼って、浮き輪とビート板を使い、ようやく1m泳いだ。
そんな自分を内心で拍手を送りながら、蛍は外を眺める兄を横目で見た。
「(……そろそろ頃合いかしら)」
盛大な水飛沫を上げて、水の中に飛び込んだ。兄であるあの人が、どんな行動に出るのかは楽しみでもあるが、不安でもある。
「…何をしている…返事をしろ、溺れたのか!?」
バシャバシャと水音を立てて、本気で蛍を探してくれているその人の姿が、普段の冷たい後ろ姿とは別人のように思えた。
「おい、蛍…っ!」
聞きたかった一言がようやく聞けて、蛍は水面上に顔を出した。後ろを振り向けば、兄が凄く驚いた顔で自分を見ている。
まぁ、今日一日カナヅチで通していたから当たり前なのだけど。
「え…、……泳げる、のか?」
「すみません」
背中に貼っていたカナヅチ矯正湿布を見せて、一言謝りを入れた。
兄は何でそんなの事をしたのか聞いてきたが、蛍は秘密だと返した。
「あなたが秘密にしてることを、両親や…誰にも言わないのと同じように」
───ずっと。
「蛍…っ」
「蛍…っ」
聞いてみたかった一言……
「私も、秘密です」
────お父さん、お母さん。
届かない手紙を書いて、もう5年になります。
「学園に来て…あなたが変わった真の理由」
今まで片時も僕の事を忘れず、手紙を送り続けてくれたこと、本当にありがとう。でも、僕の事はもう、忘れて
下さい。
「いつか、両親に伝えることができたらと思ったけど」
今となっては、僕の手紙がお父さん、お母さんの二人に一度も届かなかったことは、いずれ、妹まで学園に送り
出さなければいけない二人に、これ以上辛い思いをさせ
ずにすんでよかったと思っています。
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きざし(プロフ) - 以上がボードにてお送りしたメッセージです。先日は3月23日までに返信が欲しいとお伝えしましたが、退会されたということは、返信をする気自体がないと判断するしかありません。非常に残念ですが、本件をこちらでまとめた文章を公開いたしますので、ご了承ください。 (3月11日 23時) (レス) id: f90a6ee570 (このIDを非表示/違反報告)
きざし(プロフ) - まとめには『星々の輝き、祈り。【学園アリス】』と『開演ブザーは永遠に』の酷似している箇所を転記し、比較した内容を含みますので、あらかじめご了承ください。ご連絡のほどお待ちしております。 (3月11日 23時) (レス) id: f90a6ee570 (このIDを非表示/違反報告)
きざし(プロフ) - ・2024年3月8日送信 再度のご連絡失礼いたします。 恐れ入りますが、3月23日までに上記の件についてご回答をお願いいたします。 期日までに返信いただけない場合は、誠に勝手ながら「盗作被害報告」として、本件をまとめた文章を公開させていただきます。 (3月11日 23時) (レス) id: f90a6ee570 (このIDを非表示/違反報告)
きざし(プロフ) - また、恐れ入りますが、当問題が解決するまでは現在載せられている『星々の輝き、祈り。【学園アリス】』シリーズの全作品を更新・非公開・削除等はされないようにお願い申し上げます。 (3月11日 23時) (レス) id: f90a6ee570 (このIDを非表示/違反報告)
きざし(プロフ) - 「ほっしゃん-1」と、偶然では片付けられないほど内容が似ており、地の文・台詞共に、私が書いた文章を切り貼りしている印象を受けました。 お手数ではございますが、上記の件についてご説明いただけないでしょうか? (3月11日 23時) (レス) id: f90a6ee570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2024年1月10日 11時