星々の輝き、祈り。16【学園アリス】 (ページ7)

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「A……今、アリス使った？星１つ消えてる……」

「な、何で…あたし、アリス使ってないのに、何で、」

あたしの胸についている星のカウントシールの３段目が消えていた。無意識に握っていた右手を開くと、小さな石の欠片が砕けて残っていた。

「し…白崎、何で俺達…こんな事したのか…」

これは、前に見た事がある。赤紫色の、アリスストーンに似てる。何で？何でアリスストーンが、こんな所に…

「おい…何だよアレ…」

「どーなってんの？」

「何か変じゃない？」

自分の手の中にあるアリスストーンの事を考えてたら、操られていた男の子達も観客席にいる人達も状況を読み込めていなくて、辺りがざわついていた。

「し、白崎…俺達…お前にひどいこと…どうしよう…」

手の平にあるアリスストーンを強く握りしめて、男の子達へ声を掛けた。

「…ふふ、練習の時に何回か言ってたのに！」

「…え？」

ああ、そうだ…

今、あたしはこのアリスストーンについて考えてる場合じゃない。

「練習の後、眼鏡の度が合ってないから買い替えなきゃって話してたじゃん！本番までには買うって言ってたのに、買い忘れてたの？」

あたしがどんな事をしたとか、この人達が何であたしを狙ったとか。

「体育祭が終わったら一緒に買いに行こうよっ！うん、そうしよう！度が合ってない眼鏡かけてたら大変だもんねっ！」

そんな事を考えるのは後でいい。
今は、もっと他にやらなきゃいけない事がある。

「白崎、」

「あー…本当にビックリした！でも、もう大丈夫」

何かを言いかける男の子の腕を引いて、続けた。

「行こう！力を合わせて、敵陣を抜け出そう！共通の敵倒すために」

そう言って笑顔を見せたら、男の子も少し安心した表情を見せてくれた。必死に謝ってきたこの子達が悪いわけじゃない。

あたしは、今あたし達を睨む共通の敵(元凶)である小泉さんを睨むように見つめた。

風が互いの髪を揺らす。まるで亀裂を現すように吹いた風に。

「A、後少しや。絶対勝つで！」

「…蜜柑…うん！」

あたしの肩をポンと叩いて、蜜柑は強く優しく呟いた。蜜柑の小泉さんを見る目も厳しいもので、あたしはゆっくりと頷いた。

──大丈夫。
あたしにはこんなにも心強い味方が沢山いるのだから。

この場をどう乗り切ろうかと考えていると、どこからか機械の音。そして気づけば、あたしの体は浮いていた。