星々の輝き、祈り。16【学園アリス】 (ページ30)

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「まだこの事知らない人いるだろうし…

とりあえず、他人の体の僕と蛍ちゃんよりは、元の体に戻ったAちゃんと蜜柑ちゃんと心読み君の方が安定してると思うから。

……って、あれ？蛍ちゃんどっかいった？！」

そうこうしているうちに蛍はフライングスワンに乗ってどこかへ行ってしまう。

「ウチら３人で、他のみんなをつれてくるわ！
いいんちょーらはここで安静にして待っててな！さあ、行こう！A、心ヨミー！」

「ラジャッ！」

動くのも楽だろうということになり、３人で皆を集めに行こうと歩み始めたのだが。

「やだっ！」

「｢え｣」

「えへ！ボク、いいんちょパーマと一緒にいる。Aちゃんも可愛いけど、こっちの方がかわいいから新鮮！」

「うわあああん！？何ソレ！！」

心読み君は蜜柑の手を弾いて、スミレの姿をした委員長の手を掴んだ。確かにスミレの姿をした委員長はとても可愛らしい。忘れてはならない、心読み君は面食いだ。

「好きでもない人からフラレた──！！わ──ん！！
どういうこと──！！」

「あたし、蜜柑を追いかけてくるっ」

心読み君にふられて走って行く蜜柑を追うように、中身が違うとこうも変わるのかと半ば感心しながら、Aは歩み進めた。

「あっ！そうだ、ちょっと待ってAちゃん、蜜柑ちゃん、蛍ちゃんも！ちょっと棗くんのことで聞いて欲しいことがあって………」

委員長スミレに呼び止められて足を止めたAは、その言葉に何か嫌な予感がして眉を顰めた。

「……え、棗の身体が、立ってるのがやっとの状態？」

「……はじめは魂、の入れかわりのせいで、
体が慣れなくて辛く感じるのかと思ってたけど…

でも、この正田さんの体では、そんな…
立ってるのがやっとの苦しさなんて全くないし」

そういえば、璃音の身体で走っている時もそういった類の苦しみは全く感じなかった。

逆に体が軽くなったような感じがして彼の体は走りやすかった。これは男女の体力の差なのかもしれない。

そうだとすれば、もしや命を縮めるアリスが関係しているのか？棗はまだ任務を続けているということか。

「前から病院によく通ってるのも聞くし、棗くん何か、辛い病気で苦しんでるんじゃないかって……最近、色々様子が変だったし、気になって…この事……」

「もうAちゃん行っちゃったよ。しかも蛍ちゃんまで」

「え！？」

Aは委員長の話を聞いた後、すぐさま走り立った。心読み君が指を指す先には、もう小さくなった３人の姿。