686・体育祭編 開幕 ページ49
風紀隊に捕まってから数日後が経って、体育祭本番の日。当日はまさに快晴。
「A！五月晴れや───っっ！！」
「絶好の体育祭日和だねっ」
グラウンドは華やかに飾り付けられ、空には大きな花火が上がっている。既に大勢の生徒達が集まっていた。
「蜜柑ちゃーんっ、Aちゃーんっ」
「あ！！白組のみんなー！！」
少し離れたところから、今まであまり接触できなかった白組から声をかけられた。
蛍達白組の皆を見つけて、蜜柑は嬉しそうに駆け寄っていった。Aはその場で笑顔で手を振る。
「こーら。何、敵に愛想ふりまいてんだ？」
聞き慣れた声と共にAの頭にコンっと拳骨が落ちた。体を持ち上げられ、反射的に後ろを振り向く。そこには翼の姿があった。
「あれ、ちょっと大きくなったか？A。しばらく会わない間に」
「…っ！…つばさ、くん？」
「おお。久しぶりだな！」
「こら──翼。何セクハラしてんだ、てめー代われ」
「…あんたが言うか」
目を大きく見開いた先には、殿内や美咲など特力の面子が揃っていた。
「……か、」
「ん？」
Aは翼を見つめると、溢れ出てくる涙を抑えることができずにそのまま彼へ抱きついた。
「な、」
「翼くんのバカ──っ！」
突然の事に目を丸くして何事だと驚いている翼に罵倒が上がり、その場は一瞬静かになった。
「今までどこに行ってたの！？皆、ずっと翼くんの心配してたんだよ！？あたしもっ、あたしもずっと翼くんに会いたくて！」
「…A」
「いつ特力行っても、どこを探してもいなくて、あたし寂しかったんだから…っ…
一緒に体育祭の話をしたり、練習したり、他にも聞いて欲しい話、いっぱいいっぱいあったのに…
翼くんがそばにいてくれたらって、何度も思った…」
久しぶりに会うことが出来た翼に、Aは必至になって訴える。
「なのに、勝手にずっと留守にして…
翼くん、もうあたし達の事なんか、忘れちゃったのかなって思って…ずっと……不安で寂しかってんから…っ
嫌だよ、あたし…翼くんのいない特力なんて嫌だよっ！会えて良かった、」
相当溜まっていたらしい翼に対する思いが次々に、Aの口から溢れていった。言いたい事を全て吐き出した。
「わりぃ…」
Aの話を聞いて、泣いているAの頭をそっと撫でた翼は抱きしめ返す。
「そっか。随分不安にさせちゃったか、A。
折角、お前の初めての体育祭なのに、思い出も楽しさも半減させちゃったな。ごめんな、A」
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
