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「それに俺らの今やってる例の任務の件を知られたら、Aだけじゃなく蜜柑にも合わす顔ねーだろ…それより璃音、お前こそ大丈夫なのかよ?」
「ん──…あ──……正直言って次、Aと会えるのがいつになるのか検討もついてない…」
“璃音くんが遠くへ行っちゃう夢を見て
もう二度と会えない気がして、怖いよっ”
「……お前んとこのチーム、まだ捕まえてないのか」
「…安積柚香……」
「今回の出動もまたガセ情報。最もあの話知って以来、
“棗が、棗が、まだ危険な事してて、傷ついて…
アリスを、命を削る夢を見るの…っ”
「あの人が蜜柑の母親だなんて。そりゃ
蜜柑の、母親……
あの時の“盗みのアリス”を持ってる女の人が…
「もし捕まったら、すぐ知らせろ」
「わかってるって。なあ…棗、璃音。俺も1つだけ聞きてー事がある。そっちの任務は、どうなってる…」
「…まだ捕獲命令は出てねえ。けど、証拠が揃ってる…ほぼ間違いねえ」
「…多分、父さんと母さんは最初から裏切るつもりだったんだよ…息子だから分かる…あの人達は初等部校長を殺すつもりだ」
璃音くんの父親と母親…
それは、Aの本当の両親ってこと…
その2人まで、この学園の裏に関わってるの?
「そういえば、蛍ちゃんやルカぴょんの身辺は変わりないか?」
「今んとこはな」
「そっか…まだ安心出来ねーけど。じゃあ、俺いくわ。お前らも早く戻れよ」
「うるせ」
その会話を最後に、棗と璃音と翼は互いに戻るべき場所へと戻っていった。
流架は思わぬ場所から知らされた真実に固まり続けた。
蛍は呆然としながらも必死で頭を働かせた。鈍くも動き始める自分の頭に安堵しつつ、状況を見極める。
暫くして、流架と蛍は教室に戻った。
「り、璃音くん!体育祭出ないって本当なの!?」
「…うん、本当だよ…ちょっと忙しくて…」
「…そんな…っ…そう、なんだ…あたし…体育祭楽しみに
してたから…璃音くんと…お兄ちゃんとの思い出、作りたかった、から…」
「……っ、…それ反則……分かった、絶対参加するって約束する、だから待ってて欲しい」
「え……っ…うん!約束だからね!」
璃音は妹の身体に手を回して、優しく抱き締めた。
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます!完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました!これからも楽しみにしているので頑張ってください! (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2023年7月24日 10時