678 ページ41
「その２つであなた達とあなた達の周りの人間をどこまで守りきれるか、たった今からお手並み拝見ね」
小泉さんは扉の鍵を開けて出ていった瞬間、極度の緊張から解放されて、膝から崩れ落ちてその場に座り込んでしまった。
「A……………っ」
「ごめん、蜜柑…ごめん、なさい…」
慌てて支えてくれたけど、蜜柑の手も震えていた。
“──周りを騙して欺く、裏切り者の母親とそっくり”
“その髪、顔、目…
大切な人を奪っていったあの女を思い出される”
“そういう所、そっくり。犯罪者の母親と”
“人には言えない、恥さらしな出生の秘密”
意味が、分からない。何でいきなりお母さんが出てくるのか。何で小泉さんが知っているのか。
あたしは小泉さんの正体が分からない…
「A、蜜柑！？」
「大丈夫か、２人とも」
蛍、璃音くん……そうだ、璃音くんが前に言ってた。
本当に怖いのは見える敵じゃなくて見えない敵だって…
“教えてあげてもいいわよ。
私が知ってるあなた達の両親のこと”
“私をどう敵に回すかも、あなた達次第…”
小泉さんの事が分からない。
「佐倉、白崎。
倉庫から出られて、先生に連れられながらグラウンドに戻ってきた。
「佐倉、白崎…！」
「っ！！」
「…は、はいっ！！」
目の前に雷が落ちてきてハッとした。怒った様子の神野先生の言葉で現実に戻された。
「無視か？いい度胸だ」
「き…聞いてます！聞こえてます！！」
神野先生が尋ねても、口を開かず何も答えないあたし達に先生はアリスを使ったのだ。びっくりした蜜柑も我に返った。
「この騒動を引き起こしたのは佐倉かときいている」
「……え？」
「今回の騒動はこの念力のアリスの２人が引き起こしたことは分かったが、この２人は佐倉に唆されてやったと言い張っている。白崎は佐倉に巻き込まれただけだと」
神野先生は男の子達の服を掴んで、あたし達の前に突き出すると真相を問いてくる。
な、何それっ。あたしは驚いてその２人を見る。勿論、あたし達は今回の騒動には何も関わっていない。
どちらかといえば、倉庫に連れ込まれて脅された側で。蜜柑は呆然と神野先生が言った言葉を聞いている。
「そんなの、ありえないよー」
「うむ」
委員長と心読みくんがフォローしてくれたけれど、神野先生は厳しい目をしたままだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
