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「危ないっ」





跳び箱が襲いかかってきて、咄嗟に箱から手を放して、キツネ目君を庇った。





「璃音っ!」


「大丈夫、それより一体何が…?」


「俺にも分からない…!とにかく逃げるぞっ」





グラウンド中では、練習に使っていた様々な道具が宙を舞って人に襲うという混乱の渦が広がっていく。





「(…ダメだ、このままじゃ…っ…)
急いで物陰に隠れろ!俺、Aと蜜柑探してくる!」



「璃音?!危ないから止めとけって!」





キツネ目君の気遣いを無視して、璃音は道具が飛び交うグラウンドを駆けた。





「どうなってんだよ、これ…」





飛んでくる類をよけながら周りを見てみると逃げ回っている生徒もいれば、既に怪我をして倒れこんでいる生徒もいる。





「何事だ!?これは」


「先生!」





もうグランドはパニック状態になっており、駆けつけた先生達も状況を把握できていない。





「……Aと蜜柑は?」





周りを見渡すが、Aも蜜柑も月の姿も見当たらない。飛び交う道具をアリスで凍らせて、砂嵐内に入れて停止させているが、予想以上の力に気を緩められない。


きっとこれもこの場にいない校長の使者である月の仕業と考えるのが早いだろう。だとすると先程、月を囲っていたあのメガネは念力のアリスだった気がする。





「いたっ…蛍っ、あの2人!」





逃げも隠れもせず、悲鳴もあげずにただ立っているだけの男子生徒2人に気付いた。


バカン砲を片手に着けている蛍に伝える。アリスの仕業だと蛍も気付き、その2人に向かって発射した。





「い、今井さん!?」





見事的中して2人は倒れ込んだ。それと同時に暴走していた道具は収まって、地面へと落ちた。攻撃が収まった事に安心する生徒と先生達。


先生達が怪我の有無を尋ねていくと、道具がぶつかった人が数名いるようで、思わず顔を顰めた。


そんな中で、陽一がAと蜜柑が入って行った道具室を
指さしているのを見つけ、蛍はその部屋へと走り出す。璃音も蛍を追おうと走り出した。





「やあ璃音、久しぶりだね」


「…お久しぶりです」


「今日は紹介したい子がいてね、入りなさい。明日からクラスメイトになる転入生だよ。ルナ、挨拶を」






転校初日の前日。久しぶりに呼び出された校長室は、相変わらず殺風景で重たい空気を纏っていた。


部屋に入ってきたのは美人な病弱風女子で、それが小泉月だった。人当たりのいい笑顔の中に、初校長のような歪さを感じた。


小泉月、彼女は危険だ。

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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます!完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました!これからも楽しみにしているので頑張ってください! (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未来 | 作成日時:2023年7月24日 10時

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