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「あれ？そういえば、ルカ君は？」
「よーちゃんとトイレじゃない？」
教室を出た棗と月を追いかけてきた流架。
「(いた…っ、棗…)、な…」
「おい」
声をかけようとした時に、棗が月に話しかけた。流架は陽一を腕に抱え、廊下の死角から棗と月の様子を伺う。
どうやら、棗と月はこちらには気づいてないらしい。
「はなせよ、クソ女」
棗はいつまでも自分の腕を掴み続ける月に、心底汚らわしいと言いたげな目を向けた。
校長の手下だと気付き、何とかAに火の粉が飛ばないようにしたが腹立たしい。
「いつまでベタベタするつもりだ。胸クソ悪い」
棗が正直に言ったその瞬間、月の目の色と纏う雰囲気が一変した。月が棗の頬を打った。
先程のAと蜜柑に向けられたのと同じ、小学生とは思えないほどの鋭い殺気だった。
「胸クソ悪いのはこっちのセリフ、誰に口聞いてるつもり？クソガキが」
「(え…棗…っ)」
棗の髪をガッと掴む月の顔は恐ろしいものだった。地を這うような声で言葉を繋ぐ月。
「早死にの母親にそっくりね、その目。気にくわない…気味の悪い赤い目」
母親の話をする月に、目を見開く棗。何故、月が母親を知っているのか分からなかった。
「本来ならあんたみたいなクソ生意気なのがターゲットの方が燃えるんだけど」
棗は状況が読み込めないという様な表情をする。それもそうだろう。
今日初めて会った転入生が、まさか死んだ母親と知っていて、校長の息がかかった人物だとは思いもしなかっただろうから。
「まあ、あの子達はあの子達で別に燃える理由はあるからいいけど」
そう言って、月は棗の髪をぱっと手を離した。先程とは打って変わって幼い可愛らしい表情に戻った。
「(こいつ…っ)」
「せいぜい、余計な邪魔はしないことね。あんたのためにも、あの子達のためにも。あと、日下部璃音のためにもね」
「っ…」
「何を驚いてるの？あの子はターゲットじゃないけど、校長の飼い慣らしたモノなんだから。躾くらいしてあげなくちゃ。
あの子、校長にかなり噛みつくって聞いたわよ。まあ、あんなガキ、今は眼中にないから、しばらくの間は手を引くわ。
私は優しいから、さっきの態度については特別に忘れてあげるわ。いきましょ、棗クン」
恐ろしい目をしながら、口元を歪めて笑う月は棗の腕を掴んで引き寄せた。
「(何、今の？棗…！？))」
豹変した月の姿にぞっとした。聞いていた流架と陽一は先程の様子に不安を抱いた。
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
