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鳴海はB組のドアを閉めると、その場に止まってフー…と息をゆっくり吐いた。





「ナル」





それから廊下を歩み始めて、向かい側から歩いてくる人を見た瞬間、慌てて回れ左をした。





「おい、逃げるなコラッ」


「逃ゲテマセン」





鳴海が見た人物とは岬だ。普通に挨拶でも交わせばいいものの、鳴海は方向転換して去ろうとしている。





「じゃあ止まれ!」


「ブレーキ故障中デス」


「故障してんのは頭だろうが、待てってこの…」





漸く鳴海の足が止まった。鳴海が何かを隠しているのは目に見えていた。





「おいナル、お前…腕みせてみろ」


「え」






手袋の下に何かがある。一体、何を抱えているのか。





「クリスマスあたりからお前、何か隠してるだろう、その腕…」



「え」



「しょっちゅう病院に通ったり、俺の薬棚を勝手にいじったり…また最近、校長室への出入りも頻繁になってるって聞くぞ。お前、何企んで…」



「やだな〰︎︎〰︎︎企むなんて、ひどいよ〜♡」



「…………企んでるだろ………今度の転入生。初めは分からなかったが、あの()は…………」





そこまで言って岬は言葉を止める。





「お前、どういうつもりで…………ナル、」





鳴海は何も答えず、手袋をはめた手を押さえながら踵を返して行ってしまった。






「あいつ…また逃げやがって…」





岬は逃げる鳴海を深追いはしなかった。先日の出来事が繰り返されるだけだと何となく分かっていたのだろう。





「……」





そんな鳴海と岬の2人を神野が影から見ていた。





心配しないで。


Aちゃんと蜜柑ちゃんは必ず僕が守るから


何にかえても…






教室では、先程から静かに席に座っているAは物思いにふけていた。





「(うーん……何でだろう、鳴海先生。いきなりあんな事言って…何か変…)」


「──なのは、いつもの事だよあの人は」


「それはそうなんだけど、いつもと違って何か…もっとこうー…」





ひょこっと後ろから話しかける心読み君。心を読まれた事をAはスルーしていた。





「ナルのさっきの態度も解せないけれど、もっと気になるのは棗君よね」





蛍の言葉に、肩をピクリと動かして反応を示すA。





棗…





“ここにいろ、A”



“一緒に座ろ♡”



“白”




何で…

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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます!完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました!これからも楽しみにしているので頑張ってください! (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未来 | 作成日時:2023年7月24日 10時

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