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「ね、日向君」
「──棗
白崎Aの処分は少しの間、猶予をあげよう。
──あの娘のことは少しの間、様子を見るという形で…
せいぜい、いい子で。棗────…」
揺れている声で紅組にきてほしいと言ったA。なら、今年は棗も紅組か。棗の返事を聞くよりも先にそう予想する者が大半だ。
しかし、飛んできた言葉は予想外であった。
「───…白」
耳に入ってきた言葉が理解できず、一瞬思考が止まる。しろ…白組？Aは赤組なのに？どうして。
棗なら、なんだかんだ言いながら最終的には紅組を選ぶのだろうと確信すら抱いていたのに。
クラス全員の注目を集める棗は、ふいとAから顔を背ける。
「わ──棗君、白組で。じゃあ、よーちゃんと璃音君は赤組だね」
「棗君が転入生選んだぞー」
確かに、白組には月だけではなく、流架もいる。だから白組を選んだ、と言われれば納得はできる。
しかし、この流れで赤組ではなく白組を選ぶのは周りが囁かれているように、Aではなく月を選んだみたいだ。
棗が白組になったことによって、必然的に陽一と璃音は赤組となり、体育祭のチーム分けが終わった。
“ルカ”
“俺は俺のやり方で守る。お前はお前のやり方で──”
「…──っ」
先程から、いろんなことが起きている。
月がAの席に座った。棗が月と手を繋いだ。棗が月のいる白組を選んだ。
「……なん、で……？」
泣いてしまいそうな、小さなAの呟きは誰にも届かなかった。
一つ一つが火種となって、パチパチと音を立てて燃えるように、教室中へざわめきが広がっていく。
その中へ、さらに大きな火種を鳴海が投げ込んだ。
「そっか…棗君がそういうつもりなら、蜜柑ちゃんはすっかりなじんだことだし…Aちゃんのパートナーの件は自然消滅してるし……
今はもう３人、パートナーといっても何をするわけでもないしね。
Aちゃんはパートナーを解消して、蜜柑ちゃんと小泉さん、棗君のパートナーを交代ってのがちょうどいいかな？」
「え…」
「先生、何言って……」
「いいよね？２人共。蜜柑ちゃんにいたっては、棗君のパートナー随分嫌がってたし♡棗君もいいよね？じゃ、HRおわります♡」
騒ぎだけを残して、スタスタと教室を去っていく鳴海。虚しくも棗は月のパートナーとなってしまった。
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
