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小泉さんは手を合わせてアリスを使おうとする。
「あれ……アリス、確かに使ってるんだけど…………」
「え、どうしたの？」
「ごめんなさい…もう疲れて、これ以上はアリスを使うのはムリだわ、ゔ…ぐふ…
力は出してるのに、まるで何かに消されてるみたいに、力が現れないの」
「え、消されてるって…」
そこで注目が集まるのは当然、無効化のアリスの蜜柑。
皆は蜜柑が無効化を使って、彼女のアリスを邪魔してるのではないかと疑いの目を向ける。
「ウチちゃうよー！小泉さんのアリス無効化になんか！アリス使ってないない！」
「え…じゃあ、Aちゃん？」
「え……あたし？あたしもアリス使ってないよ…」
「あなた…無効化のアリスなの？」
「あ、そうやで！ウチ、無効化のアリスの佐倉蜜柑！」
「え…じゃあ、あなたは？あなたも無効化なの…？私のアリス消せるって…」
小泉さんの視線があたしに突き刺さる。
「えとっ、あたし、音のアリスっていって…声に出してアリスを使うから、無効化みたいな力もあるんです…」
「…っ、そう…あなたが………あなた達があの…」
その目にゾッとした。ゆっくりと、けど確実にあたしの方へ伸ばされる小泉さんの手に反応できなかった。
「……小泉さ、ん……ぅわあっ！！」
蛍………っ
蛍に腕を引かれなかったら確実に小泉さんの手はあたしに触れていた。
でも、どうして…
どうして、触れられたらダメだと思ってしまったの。
キーンコーンカーンコーン……
「ハ──イみなさーん、HR再開ですよー」
タイミングよく鳴り響いた予鈴と共に教室に鳴海先生が入ってくる。
一瞬、驚いた表情を見せた小泉さんは、その後にっこりと笑った。
「そういうこと…」
疑問に思った、けど、そんな疑問は目の前のやり取りを見たら、どうでも良くなってしまった。
「…いいわ。一緒に座ろ♡棗君」
──でないと…
続けられた言葉は棗にしか届かなかった。
棗……？
どうして、棗…どうして、小泉さんの手を取ったの。
「棗君が転入生と手つないで、すすんで同じ席に座った…っ、」
「(…流石、棗君。早々に気付いたね)」
意味が分からなかった。クラス中は一気にざわめいて、皆の言葉が頭の中で反響した。
“ここにいろ、A”
“隣に誰が座るかは俺が決める”
棗……っ
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
