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手首に感じる温もりに思わず振り返ったら、あたしをしっかりと見つめる棗と目が合った。
「ここにいろ、A」
……棗っ、
棗の言葉を聞いて、棗が触れている部分だけじゃなく、顔まで赤くなってしまった。
「がはっ!!!、ゲボォ！ゴホ！グホゴホ！！！ゼイゼイ…」
反射的に、思わず避けちゃった…
血を吐きながらでも棗の肩を掴んで詰め寄る小泉さんの執着が、怖い……もう一種のホラーだよ………
「ドゴボッ！！」
「な……なつめ…………座らせてあげたら…」
「A、ウチの隣きな！」
棗を動かしたのは最後の流架の言葉だった。少しの間、無言だった棗は小さく舌打ちすると腕を離してくれた。
蜜柑の隣、ってことは璃音くんの隣か…寂しい気もするけど、前の席は蛍だし、ここの席も全然悪くない。
そして朝のホームルームが終わり、鳴海先生は教室から出て行った。
１時間目が始まる前の休憩時間、口をぴったり閉ざしたまま教室の後方を窺う。
クラスの全員の注目を集めながらも、物怖じした様子のない小泉さんに、不機嫌そうな棗。
そんな棗にピタリとくっついてる小泉さんに、薄っすらと顔の青い流架は気まずさを感じてそうだ。
凄かった、とにかく凄かった……座る席を決めるのに、あんな力技で押し通せるとは知らなかった。
そこまでして、あの席に座りたかったのかな。優良物件
ならぬ優良物席？
一番後ろの席がよかったとか日当たりがよかったとか、はたまた、棗の隣がよかったとか。
棗、中身は結構キツイ所あるけど、整った顔をしているから一目惚れってやつなのかもしれない。
何はともあれ、誰かが棗とお近づきになろうとする者を許せない人がいるわけでして。
「おそろしい女だわ……目的のためには手段を選ばない…棗君が狙われてる…っっ」
「確かにすごい人よね……都合が悪くなると具合も悪くなるという…」
「｢それって病気じゃなくて特技だよね｣」
不機嫌さを隠そうともせずに、舌打ちを交えて納得いかなそうに睨みつけるスミレちゃん。
蛍、心読みくんやキツネ目くんも呆れた顔を小泉さんに向けてる。
「え、いいの！アリスこっそり見せてくれるの！？」
「おーい、みんな！今から小泉さんのアリス、少しだけなら見れるぞー、集まれ〜！」
「ほんの少しなら、体にそこまで負担じゃないから…」
クラスのほとんどが小泉さんの周りに集まった。どんなアリスなんだろう？
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
