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スミレが転入生を気に入らないのはいつものことだが、今回はただの理不尽ではなく、きちんとした理由がある。
今回の｢気に入らない｣理由はついさっきのことで……
「では小泉さんの席は…………あいてるのは樺屋木くんの隣だね♡樺屋君、小泉さんに色々と教えてあげてね」
「よろしくー」
指定された席へと歩く月は、樺屋木の前までくると再び激しく咳き込む。
「ゴボゲホ、ゴボゥドブ」
「え──っと。小泉さん、その席ダメなの？んーじゃあどこなら…」
するとルナはくるりと向きを変え、教室の奥へと歩き出す。
「…あの」
「…は」
１番後ろの席に来た月は、棗の方に顔を向けているAなど気にも留めず、その隣に座る棗を見つめる。
「何あの子！」
その場所に、スミレは気に食わない顔を月へ向けた。
「……え…」
そういえば、棗は最近アリス使ってるのかな…なるベく使って欲しくない。
「…お前が心配するようなことは何もねえ」
「…っ、」
少しでも長く一緒にいたい。ギュッと拳を握り締めた時に棗の声が聞こえた。
「…顔…ブスが２倍増しになってんぞ」
「……なっ！！」
な、なんて酷い事を言うの、酷すぎるっ。そう言おうと思ったのに違う所から視線を感じてしまった。
「あの…」
「……は」
「…あ──小泉さん、棗君の隣？」
「……え…」
どうやらあたしに視線を送ってたのは、小泉さんだったらしく…席を決めている最中らしい。
「そこはもうルカくんとパートナーのAちゃんが…うーん…」
「ゴフッ、ゴホッ…ブゲホォ！ゴフゲコ！！」
「！！」
ビ、ビックリした。ただただ、開いた口が塞がらない。小泉さんがあたしの前にある机に手を置くと、苦しそうに咳をした。
「え───い、もう代わってあげちゃって！Aちゃん！！」
「…え…あ……」
鳴海先生の言葉が右から左へと抜ける。棗の隣にいられない……そんなの、嫌だ。
「……ど、どう、ぞ……」
でも、小泉さんの咳はあたしがこの席を退かない限り、収まりそうにない、そう思って席を立った。
「……ぇ」
立ち上がって蜜柑が座ってる席に行こうとしたら、後ろにグイッと引かれた。
「何だ、てめえ」
棗が読んでいたマンガを放り出して椅子に足を上げて、あたしの腕を掴んでいた。
「自分の隣に誰が座るかは俺が決める」
う、そ……
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
