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「待ってよ！棗っ！なつ…っ！？……ぃたい…」
俺の予想通り、Aは俺の背中に顔をぶつけた。そんなに離れていたわけじゃないのにもう懐かしい。
「…ううっ…痛い…っ、固かった、」
ああ、何でなんだろうな。
「…フッ……必死だな」
あんなに会ったらいけねえって思ってたのに、いざ目の前にこいつがいると溢れてくる。
「久しぶりに見せるツラがそれかよ。もっとマシな顔はできねえのか？」
俺の肩を掴んだまま動かないAへ声をかけた。
「…って、…のっ、」
「…あ？」
「…だって、ひ、久しぶりの、棗だよ…っ？
…う、嬉しくて、嬉しすぎて、涙が、止まらないよ…」
俺を追いかけて来てくれた。こいつは俺に会えた喜びで涙を流してる。
「…なつ、め…っ、なつめ、会えて、良かったっ、」
そう思っただけで、愛おしさが溢れ出す。
「A」
俺の目の前で肩を震わせて泣くお前が、愛おしいと本気で思った。
「…なつ、め…」
「……何だよ」
「…棗、背が伸びた…？」
やっぱり、何か感じが違う…
就任式の時は疲れたような顔をしてたけど、今はあまりそれを感じなくて。感じられるのは大人っぽさと逞しさだった。
あたしと会わなかった時間の間、棗の時間はどんな時間だったのかな…
「……旅…旅って、お土産とか、あるの？」
一瞬、こいつが何を言ってるのか分からなかった。
「……マジかよ、こいつ」
こいつ、まさか本気でルカの嘘を信じたのか？
こいつを勘の良い女だと思ってた自分がアホらしい。
余計な心配して損した…
「お前、長生きするわ」
「え…あ、ちょっ……」
そう告げて、そのままさっきと同じように歩き出した。後ろで必死に言葉を紡いでるAに適当に相槌を打つ。
「長生きするって、どういう意味？もしかして旅で修行したの？占いとか？」
「違げえよ、バーカ」
こんな何でもないやり取りに、そんな事に幸せを感じるのは隣にいるのがAだからなんだろうな。
「棗っ、明日は教室に来る？…来て、欲しいなっ…」
あたしの言葉には応えず、棗はあたしの頭にポンポンと手を置いた。
「小泉さん」
そんなAと棗の様子を遠くから見つめる少女が１人。
「こんなところにいたんだ。行こうか」
名前を呼ばれた少女は小さく頷くと、男に手を引かれてその場を去って行った。
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
