652 ページ15
秀一くんに変わり新しく生徒会長になった人は、体質系代表の先輩だった。
爽やかで温和な優しい人、と評判の彼が新たな生徒会長となることを皆は喜んでた。
ステージで就任のスピーチを始める五島先輩を見たら、同じく壇上の上にいる棗の姿が見えた。
けど、いつも棗の隣にいる璃音くんはいなかった。
「あ…棗や！」
幹部生である棗は、他の幹部生と一緒に校長先生達の隣に立って、集会に参加している。
「もー！心配させたからにー！春休みもよく何だかんだいって、留守がちやったしな…」
「……っ、…な、つめ…」
蜜柑が持ってきていた双眼鏡を借りた。久しぶりに見た棗は、少しだけ疲れた顔をしてる…
その横顔が、何か大人っぽくなったように感じた。どんどん棗が遠ざかっていく気がする。
《────というわけで、旧生徒会のぬるさを捨て、
新生徒会はこれより、新体制強化のため、以上の規律を定める事を、ここに報告到します》
「ちょっと…いきなり、何それ」
「……へ？」
「え、何！？」
スミレちゃんの驚いた声が聞こえたから、スミレちゃんの方を向いた。
「あんた達、聞いてなかったの？今の」
「何で…五島さんがこんな事決めるなんて…
何かあったのかな…」
ざわつく周囲の反応に訳が分からないあたしと蜜柑は首を傾げる。
「たった今、新生徒会が新規則と“風紀隊”を設立したことを発表したのよ。ほらあそこにいる…」
「ふ…風紀隊！？」
五島先輩の隣には風紀隊と呼ばれるサングラスをかけた沢山の男の人達が並んでいる。
「多分…この間の棗君騒動で、生徒達がデモを起こした事が原因なのかも…
………学園側にとって良からぬ態度や反抗的と執られた生徒は、あの風紀隊の人達に取り締まられて内申の減点や罰則が課せられるんだって。
勿論、この間のように、生徒を
そんなの厳しすぎる。
「静かに。これ以上の勝手な発言は取り締まりの対象として…」
取り締まり…？何それ…何で…
「てことは学園中…授業中の教室も風紀隊が見張るってこと！？」
説明を聞き、少し離れた場所で椅子に座っている初等部校長と目が合った。
“気をつけて…
大事なものを失わないように…”
握っていた拳の力を強めた。チラりと昴くんを見たら、目が合った。何故だか嫌な予感がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
