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席に着いて朝食が目の前にあるも食欲がわかなくて…蛍に優しく頭を撫でられ、ちょっとだけ落ち着いた。
寝ぼけてる陽一くんの世話を焼く流架は、すっかり陽一くんの良きお兄さんになってる。
「あのね、流架…り、璃音くんがどこにいるか知らないかな?」
「さっき部屋に行ったら、まだ寝てたよ…」
「そ、そっか…ありがとう」
あたし達が兄妹だって分かった日、教えてくれた日から璃音くんはいつも部屋に来てくれた。
けど最近、全然会わなくて、会ってもとてもぎこちない笑顔を向けられる。
隠してるつもりかもしれないけど、分かっちゃうよ…
だってあたし達、双子だもん。
ねえ、璃音くん。何があったの?
大丈夫なの?璃音くん、会いたいよ。
「…あのさ、流架…もう1つだけ良い?…な、棗って、どこにいるか、分かる?」
「棗は部屋みたいだけど、今日もまだ戻ってなかった」
璃音くんと同じくらい様子が気になっている人がいる。
最初は慣れなかった呼び捨ても、最近漸く、スムーズに呼べるようになった。
まあ、最初に呼び捨てで棗を呼んだ時はスミレちゃんを筆頭に色々聞かれて大変だったんだけど…
そんな事より、もう学校が始まって3日も経つのにどうしたんだろう…旅に出るってのは聞いたんだけど。
「今日はこの間の生徒会選挙の発表と新生徒会就任式があるから、その時はさすがに、プリンシパルのメンバーなんだし、棗君もでてくるんじゃないかなぁ」
「その時に2人にも会えるかな」
「あ!もうこんな時間。学校いそがな!!
A、早よ着替えて──」
「あっ、ヤバっ」
時計の針を見て、慌てて朝食をとって、制服に着替えるために自室へと走った。
「はやくはやく──!
生徒会就任式は中等部グランドやで!」
アリス学園は新学期を迎えた。
いろいろありましたが、あたし達も無事、6年生に進級です!!何もかもが始まりの春です!!
「蜜柑ちゃん、あの人が新生徒会長の五島聖さんだよ。高等部3年」
「(わ───新生徒会!!
退任してはる!就任してはる!!すごーい!)」
「何がすごいんだが…」
「蜜柑、心の声が説明的すぎる」
「あの人はホラ、体質系の代表だよ」
「あ、やっぱり!?そうやんな!そう思てん!ウチも。
あの人、プリンシパルの人らの中で、よくみかけたから…」
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます!完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました!これからも楽しみにしているので頑張ってください! (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2023年7月24日 10時