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649・体育祭編 新学期 ページ12

──先輩。
先輩はあの時、何を見たの。




幾つなのか。



何を知ったの。



いつから(校長)はああなったのか。



──何をしたの──



(校長)のアリスは。



先輩───……





本部にて、璃音は先輩である安藤翼に詰め寄っていた。





「どういうことだよ、影先輩!何でお前が…!?」





璃音の顔は悲痛に満ちていた。


半歩後ろで事情を見ていた棗は、落ち着きを失くしつつある彼の肩を引いた。





「落ち着け、璃音」





棗の言葉に下唇を噛みつつ、璃音は誰にぶつけたところで意味のない言葉を溢した。





「こんなの、こんなのおかしいだろ…」





今まで言い寄られていた翼は苦笑を浮かべながら、璃音の頭にポンと手を置いた。





「心配すんなって、俺は大丈夫だから」





璃音は何も自己中心的な考えで翼に言い寄っていたのではない。


Aの先輩である翼がいきなり危険能力系に配属されたことを心配して詰め寄っていたのだ。


翼は今まで任務なんて行ってこなかった人間だ。
それがいきなり人を殺せ、危険な場所に乗り込んでこいなどと言われて、できるだろうか。普通はできない。


仮にできたとしても心に多大なストレスを与えてしまうのは目に見えている。


璃音は翼が壊れてしまわないか、あるいは死んでしまわないかを心配しているのだ。





「俺の話は終わりだ。な、璃音?」





勿論、それは翼も棗も重々承知済みである。





「それより、お前達はどうするんだよ。最近では、寮に戻ってねえって聞くぞ」





璃音は自分の隣にいる棗を見て溜息を吐いた。





「……今の任務が終わらないことには、おちおち寮にも戻れないだろ」





璃音は憎々しげに眉を顰めた。任務を立て続けに行っている自分と棗の身体には疲労が蓄積されっぱなしだし、夜もほとんど寝ていない。





「……」





だが、その一方で今の任務のターゲットとなる人物達が逃げ切ってくれる事を心から祈っていた。


棗と翼の心配そうな視線を受け流しながら、璃音はこの話は終わりだと示すように首を竦めた。





「……Aに変化は?」


「表立った変化は特にねえ」


「本人は嫌な夢見るってここ最近、寝不足らしいけど」





璃音の言葉に、他の2人は眉を顰める。





「夢?」



「うん。何でも、初校長の言葉が何度も聞こえてくる夢なんだと」

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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます!完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました!これからも楽しみにしているので頑張ってください! (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未来 | 作成日時:2023年7月24日 10時

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